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青いリボン
【青春 恋愛小説】

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青いリボン-3

「え? こうちゃんって呼んじゃだめ?」

「いえいえ全く構わないっスよ。俺は17です。」

「17てことは高三!?一緒だ〜〜。」

「マジすか? 俺てっきり15,6くらいかな〜て思ってたんだけど」

「む。どういうこと? 子どもっぽいってこと?」

「あ、いや違う違う。お若いなぁってこと。」

「む〜。なんか複雑な気分〜〜。」

そう言うと彼女はふいっと横を向く。
その時初めて気付いたのだが、ポニーテールの髪止めには青いリボンが使われていた。

「あ……、そのリボンかわいい。」

「え、これ?」

「ちょっと見せて。」

「いいよ。」

彼女は横に向けたままの顔を近付ける。
よく見るとそのリボンはけっこう年季の入った代物だった。
気付けば俺は身を乗り出し、吐息がかからんばかりに彼女に近付いていた。
そして至近距離からまともに彼女のうなじビームをくらったのである。

「ぐはっ」
俺は椅子にドサっともたれかかる。

「え? どしたの?」

「やられました。りぼんさん、かわいいっスね。」

「わけわかんないし。とりあえずありがと。」

「ところでりぼんさん。勿論、会計は別々ですよね」

「え? 私お金持ってないよ?」

「ぐはっ」

計1,280円也。
うん、痛いぞ。
しかし。
良く言えば『優しい』中間的に言えば『お人好し』悪く言えば『臆病者』という単語がことごとく当てはまる俺は「そっちから誘ってきたんだから少しは金払えよ」……とは言えないのである。

「ごちそうさまでした♪」
そしてこの笑顔の前ではちょっと機嫌が悪くなったフリすらできないのである。

『じゃあまたあそこのベンチでね』
なんと帰りの電車が一緒だということが判明し、俺の降りる駅から一つ前で下車した彼女は去り際にこう言った。

退屈で憂鬱だった毎日に楽しみができた。
明日が待ち遠しいなんて中学校の修学旅行前日以来の感覚だ。
次の日、俺は髪をいつもより時間をかけてセットし、財布に金を補充して家を出た。

それから約2週間、学校がある日は暗くなるまでいつも二人で遊んだ。
ゲーセン行ったり、ショッピングしたり、公園のベンチでずっと話してたり、ラーメン食べたり。

一目惚れの感は否めない。これだけかわいい娘とずっと一緒にいたら好きになってしまうのも当たり前かもしれない。
俺にとって彼女はかけがえのない存在になっていた。
彼女のおかげで明るくなれた気がした。

だから。
だから俺は彼女のことが諦められない。
例え、こうしていつものベンチで待ち続けても彼女が現れないことが事実としても。

もう3日、会っていない。最後に別れたときもいつものように『またね』と言っていたのに。
太陽が沈み空が暗くなる。月が、俺に「お家にお帰り。」と告げる。
俺は深くため息をついていつものベンチを後にした。


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