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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第−1話・剣に誓った初恋〜後編》-1

「さあ、後編スタートです!!ちょっ…ねえさん、木刀振り回すの止めて!」
「じゃあ、お前達もやめぬか!」

残念ですが、後編は始まってしまいました。

「小鳥遊が暴れているが気にせずに…おわっ!危なッ…今、頭をかすめたぞ!」

後編のテープ、スタート。

「やめろー!」

《第−1話・剣に誓った初恋〜後編》

◆◇◆◇◆◇◆◇

「……150……151……152……」

疾風が額のみならず全身に玉の汗を滴らせ、苦しげな表情を作っている。
此所に来て既に10日になるが、腕たて伏せ200回と森でのロードワークは日課となっていた。

「ペースが遅くなってるぞ」

才蔵の声が頭上から掛かる。

「くっ…153…154…155…」

顔をさらに歪ませ、腕の上下を速める。

「残り45」

今の疾風にそんな言葉は届かない。
段々と苦痛が和らぎ、気分が楽になってくる。
マラソンなどでいうランナーズハイに似た状態。

「…198…199…200!」

疾風はゆっくりとその場に崩れた。そして、苦しそうに呼吸をしながら仰向けになった。
空は青く、空気は澄み渡り、課せられた腕たて伏せも終わって清々しい。

「今日はこれでまで。遊んできてもいいぞ」

そんな言葉など聞いている余裕は無かった。
しばらくそのままで呼吸を繰り返す。

「はぁ…ヨッと…」

体力が戻ってきたところで、身体を弓のようにしならせ、勢い良く起き上がる。
その時、楓がポニーテールをぴょこぴょこと揺らしながらこちらに歩いてきた。
その手には真っ白なタオルを握られていた。

「終わったのか?」
「ああ。今日はこれで終わり」
「そうか。ほら」

タオルを疾風に差し出した。

「ありがとう」

疾風はそれを受け取り、礼を言うと、首筋を拭った。
ふんわりと柔らかい生地が心地よい。

「なあ、遊びに行かぬか?」
「遊びにか…」

先程は余裕なんか無かったがやはり若いため、遊びに行くぐらいの体力は戻ってきていた。

「いいよ」
「そうか!ならば、私のとっておきの場所に連れていってやる♪」

楓は顔を綻ばせた。
その顔に疾風もにこやかな笑みを浮かべた。


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