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君を守る
【ファンタジー 官能小説】

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君を守る-1

初めまして。
僕の名前は猪狩要(いかりかなめ)
実は僕、高校二年生なのに女の子と同棲しています。といっても恋人ってわけじゃあないんだな…
僕と彼女は少し不思議な関係。
彼女は僕の命を守るために一緒に住んでるだけなんだなぜ、命を狙われているのかって?そこの所を詳しく話そうか……
僕の家は霊能力者の名家らしいんだけど、僕には霊能力者としての才能が無かったらしいんだ……
僕の代わりに弟にその才能が受け継がれたわけ…
あっ!霊能力者とは悪い妖怪を除霊(つまり魂を天に帰す)人のことだよ
みなさんは妖怪といわれたらどのような想像をします?
「カッパ」「座敷わらし」「雪女」そんな所かな?でも妖怪の本当の姿は人間と動物の混合体なんだ
妖怪達は人間を襲うので、妖怪に襲われる人々を助けるために霊能力者がいるんだ

話を戻そうか、それで弟に霊能力者の才能が受け継がれたわけだけど問題は無能の僕!
父は、猪狩家の恥だと罵しり僕を母方の祖父に預けたんだ……

この時、僕はまだ二歳だったから、その記憶は全く無い。

祖父には両親は死んだと聞かされていんだ。

その祖父も去年死んじゃったけどね。
僕が妖怪に狙われる理由だけど、妖怪というのは霊感が強い人を狙いやすい。特に霊能力者なら人一倍強い霊感を持っている
才能の無い僕にも普通よりは強い霊感がある
霊能力者は16才を越えたあたりから強く霊感が出始める、もちろん僕にも……普通の霊能力者なら自分で妖怪をやっつけるんだけど僕には才能が無いからそれができない。
そのために彼女がいる
彼女の名前は嶺(れい)強い力を持つ霊能力者だ
実は母が僕の事をあまりに不憫に思い、この時のために使用人に頼み彼女を育てさせていたんだ。
そして僕は彼女から全てを聞いた。
妖怪の事、両親の事、自分が妖怪に狙われる事


今日で彼女との同棲生活が始まって二週間になる
天気のいい日の朝、要は布団の中で睡眠という至福の時を過ごしている

バシャ〜

「うわぁ〜!」突然、頭に降ってきた水の冷たさに驚き目を覚ます「起きたか?」ふと見るとバケツを片手に持った少女が立っている長く綺麗な髪を持ちネコのような目が印象的で顔だけなら文句無しに可愛い
しかし問題は性格である、無愛想でキツく可愛いげがまったく無い
「嶺〜〜!もう少し優しく起こしてくれよ〜」
すると彼女は顔をしかめ「お前が起きないからだ」さらりと言い放つ。
まぁこのような行為には要は慣れてきた。二週間という期間を彼女と過ごしていて彼女の人間性がだいたい分かってきたのでこれ以上の抗議は無駄だと悟る
「それより学校に行かなくていいのか?」
時計を見るとすでに針は8時を指している
「げぇ〜〜〜!しまった遅刻だぁ〜」
慌てて支度をし学校に向かう
「じゃあ行ってきます」
「分かった」
無愛想な返事が返ってくる
「もう少し愛想よくしなよ
「うるさい!こっちの勝手だろ?」
キツイ返事が返ってくる
(こりゃあ怒らせたな…)
と思いながら急いで学校に向かう

彼女は性格はこうだが霊能力者としての腕は一流でこれまで二度、要を襲った妖怪を除霊している。
そんな彼女を要は頼りにし信頼していた。

実は要は彼女に魅かれていたのだ。
キーンコーンカーン…

時間が過ぎるのは早いものだ。学校が終わり気付けば放課後。
自分の家に帰ろうと校門を出ようとした時、門の前に嶺が立っているのに気付いた。
「どうしたの?」
「いやな妖気が広がり始めている。
一人で帰すには不安だからな迎えにきた」
どうやら妖怪が要を狙っているらしい。そのために嶺は迎えにきてくれたのだ
「ははっ。ありがと」
そんな彼女の細やかな優しさに要は頬が緩む。
「何を笑っている?早く帰るぞ!」

こうして歩いているとカップルに見えるのだろうか?そんな事を考えながら下校する要。隣には嶺が歩いている
突然、嶺の様子が変わった
「近いな……」
「近いって?もうすぐ妖怪が現われるの?」
少し不安になり尋ねる
「心配するな。ちゃんと守ってやる。それが私の使 命だからな」
どうひいき目で見ても自分より年下にしか見えない少女のその言葉を要は頼もしく思う。
しかし守ってもらってばかりの自分を恥ずかしがる自分がいる。
「来た!お前は早く物陰に隠れろ」
ひとけの無い薄暗い路地にさしかかった時、嶺が叫ぶ要は急いで物陰に隠れた。


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