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美しい人
【青春 恋愛小説】

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初雪 〜美しい人続編〜-2

* * * * * * *




あの日……

放課後の教室で俺は恋敵の生徒会長と話していた。



『副会長もお前に惚れてるんじゃねぇの?』



なんでそんな言葉を口にしてしまったんだろう。


俺は、君の恋が成就するのを見たかったのかもしれない。

悲しいけれど、君の本当の笑顔が見たかったんだ。
たとえ相手が俺で無くても。



端正な顔の生徒会長は、僅かに眉根を寄せた。


『勘弁してくれよ、一緒に歩くとこ想像してみろよ。みっともない』



気が付くと俺は生徒会長のの肩を掴んでいた。

瞬間、右手に鈍い痛みを感じる。

生徒会長が壁際まで転った。



『やめて』



君の声に俺は我に返った。

教室の入り口に青ざめた顔の君がいた。

なんでこんなとこにいるんだよ。

また君は苦しむのか。

君がこれ以上傷付くのは見たくないのに。

ごめん。

ごめん。


君を見ることなく生徒会長が教室を出て行った。

うつむく君の瞳から涙が溢れ落ちた。



『もう、こんな体嫌だ。
なんでよ、なんで私だけ、なんで私なのよ、なんで……
足も心も、私の自由になるものなんてなんにもない

……もう、絶対に誰かを好きになったりしない』


俺は小さく君の名を呼ぶ。

涙を拭うこともせず、君は俺を真っ直ぐに見る。



『あんたなんか大嫌い!大嫌い!』


君の拳が俺の胸に何度も振り下ろされる。



君が泣くのを初めて見たよ。

そっと抱き締めた君の躯はとても熱くて、俺も泣きたくなった。

きっと俺にはわからないエネルギーが君の小さな躯の中で炎を上げているんだ。


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