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ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)
【コメディ 恋愛小説】

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ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)-7

俺、ただいまライブで大ピンチ! 誰か助けてぇ〜。

ケイが心の中でそんな叫びをあげていると、香澄が嬉しそうな顔で話しかけてきた。
「今日、初めてケイさんのお仕事を見せていただいたのですが何だか私とお逢いしてる時のケイさんとは雰囲気が違うのでびっくりしちゃいました」
「そうかな? でも、ありがとう。そう言ってもらうと嬉しいな。」
ケイはバレないかと冷や冷やしながら答えた。
流石にこの追い詰められた状態だと受け答えが少しいつもと違ってしまう。
それ気付いた香澄だったが「あらあら、そんなことはありませんよ」と楽しそうに答えてくれてケイを気遣ってくれた。
その一方で香織と楽しそうに話をしていた奈津子と云う名の悪魔はケイの想像もつかないとんでもないことを提案してきたのだった。
「ねえ、香織ちゃんもケイのお手伝いしてくれないかなぁ?」
「えーっと…お手伝いってどんなことですか? 奈津子さん」
「いやねぇ、見てて思ったんだけど、香織ちゃんって見た目とっても可愛いし、ノリも良いからケイと一緒にモデルをしてくれないかなぁなんてね。香織ちゃんみたいなノリのいい子と一緒だったらケイも素敵な笑顔ができるんじゃないかなぁって思ってさぁ」
そんな出鱈目なことを言いながらニヤニヤしつつ横目で俺を見る奈津子。
正直、自分が楽しいからってだけでそこまでするのかっ!? この人でなしっっ!!
「そんな急に…断っていいんだからね。いやだったらいやって…」
「やりたぁい!」
心の中で、えーーーーーーーー!? と大絶叫。
香織は手を挙げて「やります! 是非ともやらせて頂きます!!」と奈津子に飛び付いた。
「私でお役に立てるなら! ケイ、よろしくお願いします!!」
香織の目がキラキラキラキラしてる。
もう止められないことが伝わる。
これはもう「こちらこそお願いします」としか答えようがなかった。
ケイは顔面蒼白である。
逃げ出したい衝動に駆られるがそんなわけにもいかず、トホホと肩を落としていると香澄が「あの…」と遠慮深く手を挙げた。
「厚かましいかもしれませんが…出来れば私も参加させていただけたらと…。あの、雑誌に載るようなものでなくても結構です。ケイさんの役に立てるなら私も是非お力になりたいのです」
香織とはまた一風違った表情で…しかしこれまたすんごく目をキラキラキラキラさせて香澄はケイを見てきた。
「んじゃ、ついでに智香ちゃんも入って。みんなで撮影しちゃお」
奈津子は満足気ににぱっと笑うと、今決まったことをスタッフに伝えるため一足先に撮影スタッフ達のところに戻っていった。
残された四人。智香はケイの複雑な気持ちを察してくれているのかため息をついた。
奈津子が意気揚々とスタッフのところへ戻り段取りをしてる間、ケイと智香がやり切れない表情をしていたがそれと対照的に朱鷺塚姉妹はこれ以上はないってくらいに楽しそうな表情を見せていた。
「お兄ちゃんゴメンね…。助けるどころか余計に状況を悪くしちゃって……」
智香が楽しそうにしてる二人に聞こえないように小声で俺に謝ってきた。
「まあ、しょうがないさ。智香じゃ奈津ねぇの勢いは止められないからなぁ」
苦笑をしつつ智香の頭を撫でるとバツの悪そうな感じだった智香の表情が和らいでいき嬉しそうな笑顔になっていた。
実は智香はこうして頭を撫でられるのがお気に入りらしく、小さい頃から泣いていたり落ち込んでいる時に圭介が頭を撫でてあげると不思議と機嫌が良くなるのだった。
そんなほのぼのとした雰囲気のケイと智香を見た香澄は二人がギクリとするようなことを笑顔で言ってきたのだった。


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