投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)
【コメディ 恋愛小説】

ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)の最初へ ケイと圭介の事情(リレー完全編集版) 3 ケイと圭介の事情(リレー完全編集版) 5 ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)の最後へ

ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)-4

この二人って姉妹にみえないんだよねぇ。
朱鷺塚先輩なら物腰とかでお嬢様ってすぐに納得できるけど、妹の方はお嬢様だって言われても納得できないぞ。
いや、マジで…。
圭介が香澄を連れて教室に戻ると香澄に気付いた香織が大きな声で香澄を呼び、香澄は恥ずかしそうに頬を染めながら香織達のところへ歩いて行く。
そして、圭介は香澄と一緒に教室へ入ってきたことでクラスの男子生徒達から『なんでこいつが朱鷺塚先輩と一緒なんだ!?』といった感じの恨みと嫉妬の視線を受けながら自分の席に戻ることとなった。
ホント、朱鷺塚先輩の人気って凄いよ。
たったこれだけのことで男連中から総睨みされるんだからなぁ…。
圭介は自分の席に座ると視線から逃げるように机に突っ伏した。
智香と加奈子が香澄に挨拶をし香澄が挨拶で答えている時に香織はいきなり「お姉ちゃん、どうしたの?」と話しかけた。
「香織ちゃん、昨夜やった宿題の英語のノート私の部屋に忘れていっちゃったでしょう。だから届けにきてあげたのよ」
香澄は微笑みながら英語のノートを香織に渡した。
「そういえば昨夜、お姉ちゃんに英語の宿題を教えてもらってて終わったらそのまま部屋に戻って寝ちゃったんだっけ…」
「あはは…」と照れ隠しの乾いた笑いで自分のミスを誤魔化しつつ香澄に感謝する香織と「気にしないで」と言いながら優しく微笑む香澄だった。
「……あら、このモデルの方って…」
香織の前に開かれた雑誌にふと視線を落とした香澄だったが、その視線の先に見知った女性が載っているのに気付き指で指し示した。
「お姉ちゃん、ケイ知ってるの!?」
「ええ。ケイさんとはたまにメールや電話でお話ししますよ。でも驚きましたわ、ケイさんはモデルさんだったのですね」
口に手を当てて驚く香澄に対して、姉の意外な交友関係に「本当にっ!?」と派手に驚く香織。
そして香澄を見ながら「灯台下暗しね。でも、香澄さんとケイが並んでるところは絵になるかも…」と腕を組み一人頷く加奈子。
更に、そんな三人をよそに「お兄ちゃんが香澄さんとそんなに仲が良いなんて知らなかったよ」という表情で訝しげな目つきで後ろの席で机に突っ伏してる圭介を睨む智香の姿がありこうして昼休みの時間は過ぎていった。
 
「ふーっ…やっと終わったぁ」
睡魔と闘い続けたかったるい午後の授業も滞りなく終わり圭介は鞄を持ち帰ろうとすると、先程まで寝ていたはずの幸司の姿がないのに気付いた香織が「中嶋はどこに行ったの! また掃除サボりやがって!!」と吼えつつ箒を持ってこっちに向かってきた。
「相沢、中嶋知らない?」
「中嶋? ああ、知ってるけど。中嶋幸司。2‐Bの生徒でサッカー部在籍。人柄と頭の中は一言でいえばアホってとこか。で、その中嶋がどうした?」
思わず香織が顔をしかめて額に手を当てた。
「相沢…あんた、たま〜に訳のわかんないボケかますわよねぇ……まあ、いいや。それで中嶋がどこに逃げたか知ってる?」
「ああ、もう部活に行ってんじゃないかな。大会が間近だって言ってたからな」
そう…と香織が呟くと、これから帰ろうとしてる圭介をマジマジと見つめ手に持っていた箒をにこやかに突きつけてきた。
「相沢くん、暇そうねぇ。中嶋の代わりに掃除していかない? いや、むしろしていけ…」
「無理! 人の代わりに掃除をしちゃいけないって○ーポくんから言われててさ」
あまりにも無体な要請に俺は思わず訳のわからん返事をしてしまっていた。
しかし、そんなことはお構いなしと香織の笑顔が近づいてくる。
正直、その笑顔がとても怖いですよ朱鷺塚さん…。
「ピー○くんって…まあ、そんなことはどうでもいいわ。早く帰りたかったらさっさと手伝いなさい!」
逃げようとする俺の制服の襟首を掴んだ朱鷺塚は抵抗する俺をお構いなしに引きずっていく。
ああ…朱鷺塚よ、お前のその細い身体のどこからそんな力がでるんだ。


ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)の最初へ ケイと圭介の事情(リレー完全編集版) 3 ケイと圭介の事情(リレー完全編集版) 5 ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前