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ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)
【コメディ 恋愛小説】

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ケイと圭介の事情(リレー完全編集版)-13

「それより朱鷺塚。学園祭で呼ぶって言ってたケイってモデルだがどんな感じの女性なんだ?」
まあ、確かにもっともの疑問だな。
普通の男子なら女性ファッション誌なんて目を通すことなんてないもんなぁ。
「そっか、ちょうどいいわ。今日はケイの出てる雑誌が手元にあるから見せてあげるわね。その代わり汚したら殺すわよ」
香織はそう言うと自分の席に戻り、鞄から例の雑誌を出すと幸司に手渡した。
幸司は躊躇うことなく指定されたページを開くと驚くような表情をして香織に話しかけた。
「ふわぁー。ちょっとキツそうな感じだけどすげー美人だなぁ。このモデルさんが来てくれるのか…」
幸司がそう言うと他の男子連中が幸司のところに集まり各々の感想を述べていたが、俺は流石に自分の女装姿を見たいとは思えず自分の席でため息を一つついたのだった。
「それにしても朱鷺塚。お前も一緒に出てるけど完全に引き立て役になってんなー」
笑いながら幸司が地雷に踏み込む発言をすると同時に周りにいた男子生徒が素早く避難をはじめる。
すると同時に香織が幸司を殴り倒したのだった。
「うるさい…大きなお世話よ!」
この辺のやり取りは毎度のことだが、流石2‐Aの生徒だけあって幸司の周りにいた男共の危険察知能力と逃げ足の速さはすごかった。
「お前等…逃げる時はサッカー部以上のチームワークを発揮しやがるな……」
そして幸司は本日二度目のダウン。
まあ、自業自得は本人もわかってるだろうけどね…。
本日二回目のダウンをした幸司だが、二回とも放置するというのは気が引けたので俺は幸司に肩を貸し起こしてやることにした。
そして、幸司を殴り倒した張本人の香織はというと、幸司に貸していた雑誌をさっさと片付けると何事もなかったように学園祭の出し物についての話を進めていたのだった。
 
「時に三枝くん、2‐Cが藤崎さんを使うってのは聞いたけど、具体的に何をやるのか知らないかな?」
と、おもむろに質問をしてきた加奈子に対し「もちろん、その辺のことも抜かりはない!」と言いながら胸を張る三枝は説明を始めた。
「まあ、大雑把な話になるが2‐Cの連中は見た目だけでなく歌唱力にもある程度定評のある藤崎を使ってミニライブとトークショーを企画しようとしてるらしい」
「ふーむ…あっちが藤崎を出してきた時点で男子をメインターゲットにしてるはずだから、こっちは女子をメインターゲットにするってのはどうかな? 幸いにもケイのファン層は女性ファンの方が圧倒的に多いしね」
三枝の話を聞き、少し考え込んでいた香織は聞いた話を自分なりに分析し大まかな提案を出してきたのだった。
香織が言い出したターゲット層についてはクラスの総意(特に女子)を得られたが、じゃあ何をするかということになると『コスプレ喫茶』とか『演劇』果ては『ミスコン』等出てくる始末で収集が付かないまま時間だけは無情に過ぎてしまい、企画書提出最終日間近の昼休みの校内放送で学園祭実行委員からの呼び出しがかかったのだった。

時は放課後。
昼の校内放送で呼び出された幸司に無理矢理付き合わされる圭介と「中嶋と相沢の二人じゃ心配だから」との理由で同伴した香織の三人で生徒会室のドアをノックし、開けると椅子に座っていたのは三年で生徒会長である『広瀬千鶴』と双子の妹である『広瀬安奈』が圭介達三人を出迎えた。
「あ! 香織も来てくれたの。中嶋は当たり前としてあとのもう一人は新顔ね」
と、仰ったのは広瀬先輩。
「何も三人でぞろぞろ来なくてもいいのに…。中嶋くんも小学生じゃないんだから」
と、千鶴は呆れたようにため息をつきつつ紙に何やら書き込んでいた。


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