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loveforyou
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loveforyou第1話-1

「───誓いますか?」
「誓います」
「では、誓いのキスを」
誰もから祝福され、私も幸せだった。純白のウェディングドレスを着て、愛しい人の隣りを歩く。誓いのキスは今でも忘れられない。

この人と幸せになる……。

そう思っていた。しかし、これから起こることを私は知るよしもなかった……。

love for you


「どう言うこと、ですか?」
突然の父からの呼び出し。別に良くあることだからそれに驚いたりしない。小さい頃に母が他界してしまったから、結婚して出て行ったこの家には父は一人きり。その為、呼び出しなんて良くあることなんだけれど。私が驚いたのは父の言葉だった。

「すまない。しかし、これだけは、これだけはどうにもならないのだよ」
「でもっ!私は」
「彼にも済まないと思っている」

そう言う父の顔を私は見ることが出来なかった。ギュッと服を握り締め、唇も噤む。

「何で今日なのですか……?今日は渉と結婚して1ヶ月の記念日ですよ?」
「向こうは明日にでも来てくれと言っているんだ。準備をしておきなさい」
「お父様!」

非難する声をあげても何も変わらない。けれど、納得なんてできる訳ない。

「受け入れてくれっ!お前は彼と別れて王家に嫁ぐのだよ!!」

父に肩を掴まれ言い聞かされる。これはお願いではない。命令。この国に住んでいる限り王家の言葉は絶対。

この国を導く者


最高権力者

私たち貴族だって王家と関わる者は少ない。周りにとってはお声がかかるなんて幸せなことなんだろう。

「私っ………!あの人意外の“妻”になんてなれませんっ……」

私は明日、愛した夫と別れ別の人の所へ嫁ぐ。

「こちらがお部屋になっております」

連れてこられた部屋は、昨日まで住んでいた部屋の何倍もの大きさだった。華やかな飾り、大きなベットにクローゼット。本当に今まで人が使っていたとは思えない。

今日から私の部屋

何も知らない場所で、何も知らない人と暮らす。

「姫様、貴女にお使いする紗矢と言います。何かありましたら、私に何なりとお申し下さい」

そう言って紗矢と言う少女はお辞儀をした。歳は私とあまり変わらないだろう。だが、気になることがある。


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