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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第11話・二人でお留守番》-5

「…何でだよ」
「…昼からもいろいろとやることがありますので」
「なんなら手伝ってやろうか?」
「いえ。そこまでしていただかなくても結構です」

二人とも笑顔だが、その笑顔は何処か作り物のような感じがする。

「まあ、とにかく疾風に美味い飯を作ってやろ〜っと♪」

そう言って買ってきた材料とともにキッチンに向かった。

「疾風、包丁とかフライパンとか使っていい?」
「どうぞ」
「サンキュ♪」

ガタゴトと何かを引き出す音がした。その音は次第にタタタタタ…というテンポの良いものに変わり、それが終わると次はジュワ〜という炒める音。その途切れること無く続く音に見ていなくとも料理の腕前が窺える。
そして、辺りに良い香りが立ち込めた頃。

「はい、完成♪」

千夜子が八角形の皿に円形に盛られた炒飯を運んできた。

「おぉ!」

疾風が感嘆の声を上げる。

「さ、食べようぜ♪」
「いただきます」

疾風がレンゲを持って炒飯の山を崩した。一粒一粒が卵でコーティングされ金色に色付き、パラパラとしている。
疾風が一口食べた。千夜子が固唾を飲んでそれを見守る。咀嚼し、味わい、飲み込む。

「ど、どう?」
「美味しいですよ」

疾風が満面の笑みで答えた。

「ほ、ホント…?」
「はい。かなり本格的で美味しいです」
「そうかぁ♪」

パァ〜と千夜子の顔が喜びに溢れる。

「………」

それを見ていた楓も一口。その目が見開かれる。悔しいが美味かった。

「どおだ、小鳥遊?」
「…くっ……」
「何なら、料理漫画みたいにリアクションとってもいいんだぜ♪某パン漫画みたいに駄洒落とか使って美味しさを表現しても良いんだぜ♪」
「わ、私だってこのくらい…」
「出来るってか?」
「も、もちろん…」
「なら、作ってみるか?まだ材料残ってるし」
「の、望む所です!」

楓はそう言い残し、キッチンへと大股で歩いていった。


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