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Twilight Closse
【青春 恋愛小説】

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Twilght Closse]〜塩の贈呈〜-1

西野の言葉はにわかには信じられなかったが、奴の目には俺をいたわる気持ちと本気の光が宿っていた。
外見は。
少くともこれをダシに俺をいじめてやろうって気は無い様だ。
外見は。(あ、二回も言っちゃった)
…まぁ、信用してやるか。
「…聞きたいか?」
「解決してやるわよ。アンタの悩み事」
西野は嬉しそうに笑った。

洗いざらい話したのだ。
じろーに夏休みの友を預けられた事。
電子セキュリティを某蛇の様に突破した事。
餓死寸前の奥山の事。
喋れなくなってて今はスケブで会話してる事。
さっきドジこいて逃げてきた事…
全部喋った。一言ずつ喋る毎に、少しだけ楽になってきた。
代わりになぜか西野が不機嫌そうになっていたが。
「で…どうしようよ」
「むぅ…諦めれ」
…ハァ?
「やっぱりバカだアンタは。諦めようバカ」
いやいや
「何で?!」
「分かるでしょ!つか、逃げるなんてバカじゃないの?」
うっ…返す言葉もない…
「その場で謝ったら少しはマシだったでしょうね。でも逃げたって…そこまでヘタレとは
思わなかったわよ。もう無理ね。きっと中にすら入れてくれないわよ。諦めたら?」

マシンガンの様に矢次で言われた。その間わずか五秒。
「…もう…無理なのか…」
「え?あ、うん…む、無理に決まって…」
西野はちょっと言葉を濁して言った。
アドバイザーが無理だと言うのだ。無理なのだろう…
「そ…か……」
何だろうな…別に普通じゃないか。
大して親しくもなかったし、全面的に俺が悪い。
二度と喋れなくても仕方がない。
つか、筆談だったか。
でも…何でかな…かなり寂しい。
俺の気持ちに気が付いたのか、西野は突然様子をかえた。
「え、あ、ウソウソ。まだ大丈夫だって!首の皮一枚つながってるって!」
さっきの冷静な様子はさっぱり見当たらない。
かなりオロオロしてる。
「でもそれだと…死んでるよな…」
「違うって!それ比喩表現だから!まだ死んでないから!」
「ああ。生殺しって奴だろ…生きてるけど死んだも同然と…」
「だぁぁも!大丈夫だから!ザオリク効くから!アレイズ効くから!」
終には叫びだす始末。
そんなに蘇生魔法を大声に言われてもこまる。
どっちかって言うとリバイブやレイズデッド派だし。
なんて考えてる場合じゃない。今こいつはなんて言った?
ザオリクが効く?アレイズが効く?
「…本当に?」
西野は物凄く真面目な顔をしていた。
本気で何とかなるのか分からないが、奴の顔には何かを成し遂げる「使命感」の様な何かがあった。
「大丈夫よ…だからそんな泣きそうな顔をしないでって」
優しい声で言われた。
普段だったらキモいの一言でも投げつけただろう。
何でだろうか。今は、凄く嬉しく感じていた。
…ん?
「泣きそう?俺が?」
真っ暗になってた目の前を確認する。
確かに目には涙がたまって西野がブサイクに捻じ曲がっていた。
「…やめなさいよ。泣いたら解決策考えてあげないんだから」
ムスッとしている西野だったけど、声は優しかった。
文に表せばきっとぶっきらぼうな奴としか見られない。
でも、確かな暖かさがあった。
「わかった。泣かない」
俺は言われた通り、グッと涙をこらえた。


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