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ヴァンパイアプリンス
【ファンタジー 官能小説】

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ヴァンパイアプリンス2-2

「フフッ…」
月下が顔を上げると、女の人と宏樹が、腹を抱えて笑っていた。
「月下、パニクり過ぎだょッ」
「なッ…宏樹!」
月下は恥ずかしくなり、顔を真っ赤にした。
「フフッ。カワイイ彼女サンね!初めまして。わたしは宏樹のいとこの水無月奈美。あなたの事は、宏樹から聞いてるわ。」
宏樹は月下を立たせる。
「月下、奈美についていって。」
「え?」
「さ、月下ちゃん。こっちよ。」
月下は状況もわからないまま、奈美についていく。

(広い…)
家の中は外装より広く見え、部屋数が多く感じられる。
「ココよ。」
奈美がある部屋に、月下を招き入れる。
(何する気!?)
「ん〜…赤がイイかな」
奈美が何やらたんすから、引っ張り出した。
「浴衣…?」
奈美の手には、鮮やかな向日葵の浴衣。
「うん。コレが似合うわね。」
奈美は浴衣に合わせて帯を選んだ。
「…きっと宏樹の事だから、あなたに何も言ってないのね?」
奈美は一通り揃えると月下の前に座った。
「ハイ…何も。」
「やっぱり。さ、着付けましょう」
奈美は教えてくれなかった。奈美いわく、『本人に聞くのが一番』らしい…。

「ねぇ、月下ちゃん…」
「ハイ?」
奈美は月下に浴衣を着付けながら、話し掛けた。
「彼女って事は…全部知ってるの?」
「…ハイ」
「そう…」
奈美は続ける。
「吸血鬼って聞いて…どう思った?」
「どうって…」
月下は困った。
月下は吸血鬼だと聞いて、恐くもなかったし嫌だとも思わなかったのだ。
「ん〜…」
「すぐに信じれた?」
奈美が不安げに月下に問う。
「ハイ。」
月下は即答する。
「あたしッ…前から吸血鬼いるって信じてたから。それに…宏樹くんだから。」
少し照れながら月下は答えた。
「そう…。…宏樹はイイ人見つけたわね。」
奈美は嬉しそうに微笑んだ。
「よしッ。コレでOK。さっきの部屋で、宏樹待ってるから。」
「あ…ありがとうございますッ」
そして月下は、宏樹の待つ部屋へ足早に向かった。
「…宏樹の事、頼むわね…」
奈美は月下の背中に呟いた。

(うぅ…歩きづらい)
月下はさっき通った道を順に戻っていく。
(ってか廊下長いし!…あれ?ココ曲がるんだっけ?)
月下が角を曲がると…―ドンッ
「キャッ!!ゴメンなさ…」
「あ…月下じゃん!!」
ソコには宏樹の弟、雅人の姿があった。
「雅人くんッ」
「久しぶり、月下。相変わらず、イイ匂いがするなッ」
雅人が月下に抱きついた。
「やッ!ちょっとッ」
「しかも今日浴衣で色っぽいしッ…」
雅人の手がじりじりと月下の首筋に上っていく。
「雅人くん!?離してよッ」
月下は必死に抵抗するが、雅人の手から逃れる事は出来ない。
(ヤダッ!助けてッ)
―ベシッ
「痛ッ」
雅人の頭にスリッパがとぶ。
「ん〜!ナイステクニック!」
雅人は頭を押さえながら、後ろを振り返る。
「げッ、奈美ッ」
「も〜ッ。月下ちゃんに忘れ物届けに来たら、雅人が襲ってるんだもん。ビックリしたわょ」
奈美は月下の浴衣の着崩れを直し、髪にかんざしをつけてくれた。
「…よしッ!さ、早く宏樹に見せてきなさい」
「ハイッ。」
奈美にお礼を言い、月下は再び宏樹を目指し始めた。
「ちぇッ。また失敗したッ」
「あんたねぇ…」
雅人と奈美は月下の後ろ姿を見送った。
「奈美も気付いてると思うケド…月下の血、処女並にウマそうなんだよねッ」
「まぁね…。でも手を出しちゃダメよ。…あの子は、呪われた吸血鬼一族の…希望の星なんだから…」


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