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淫魔戦記 未緒&直人
【ファンタジー 官能小説】

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淫魔戦記 未緒&直人 3-9

「ところで神保様。何やらお探しのようですけれど……?」
その問いに、直人はうなずいた。
「実は。人を探してるんです」
「まあ」
水無月哉子は口許に手を当てる。
「そういう事でしたら、一言おっしゃっていただければ探させましたのに」
その言葉に、二人は素早く視線を交わした。
できる限り内密にしておいた方がいいような気がするが、この調子では探し出す前にパーティーが終わってしまうかも知れない。
一瞬で結論を出すと、直人が言った。
「では、探していただけないでしょうか?会場を回ってみても、どうしても見つけられなくて……」
その言葉に、哉子はうなずく。
「お任せ下さい。それで、どなたをお探しになっていらっしゃるんですの?」
「モデルの伊織……なんですけど」
未緒が口を挟むと、哉子が眉を寄せた。
「確かに私、伊織をパーティーへ招待しましたけれど……あ、藤谷さんあなた、伊織のファンでいらっしゃるの?」
「え?ええ、まあ……」
曖昧に、未緒はうなずく。
普通はファンでもない芸能人に会うためにわざわざドレスアップしてまで、パーティーに飛び入り参加はしないだろう。
「未緒は普段から、わがままを言わないんですよ。それが伊織さんに会ってみたいと言うんですから叶えてやりたくて、僕がつい強引な手段をとってしまったんです」
哉子が渋りそうな気配を感じ取り、直人が口を差し挟んだ。
「……分かりました」
ややあって哉子はうなずき、近くにいたスタッフを呼んで何やら耳打ちした。
耳打ちされたスタッフは、踵を返して人込みに紛れていく。
「今、伊織を呼びにやらせました。すぐに参りますわ」
「ありがとう……ございます」
未緒は丁寧に頭を下げた。
おそらくは直人の機嫌を損ねまいとする保身から来たサービスだろうが、とにかくこれで疑問を解消する事ができる。
しばらく哉子と雑談を交わしていると、先程のスタッフが戻ってきた。
ごくん、と未緒の喉が鳴る。
スタッフの後ろに……彼がいた。
「水無月さん」
低く甘い声に、未緒は腰骨の辺りがむずむずしてくる。
「ご用がおありと聞きましたが……?」
「ええ、そう!」
殊更に明るく、哉子が言った。
「話が弾んでいたらこちらのお嬢さんがあなたのファンだと分かったの。せっかく同じパーティー会場にいるんだし……気軽なお喋りくらい、許されるでしょう?」
哉子の気安い口調からするとただのモデルとスポンサーという関係だけでなく、どうやら普通より深くて長めなお付き合いがあるらしい。
「なるほど、ね……」
さらさらの髪をかき上げ、伊織は未緒を見た。
生で見るとびっくりするほど長いまつ毛に縁取られた瞳が、驚愕で彩られる。
未緒がぎょっとして、後ずさりしたくなるほどの驚き方だ。
「あ……ああ、失礼。少し知人に似ていたので、驚いてしまって」
伊織はにっこり微笑んで、自分の態度をフォローした。
「俺のファン……ね?」
「藤谷未緒と申します」
負けずに、未緒も微笑み返す。
「ふう……ん」
伊織は未緒の事を上から下まで眺め回すと、直人に目をやった。
「君は……!?」
顔を知っていたのか、伊織の口からそんな声が出る。
「……残念だな。彼氏持ちか」
伊織は笑みを強くした。
「いないんだったらバーにでも誘うんだけれど」
その言葉に、未緒は直人の方を振り向く。
『こんな場所じゃ聞きたくても聞けないし、誘いに乗ってみたい』
言葉に出さない目での問い掛けに、直人は渋い顔をした。
「……仕方ないな。こんな機会は二度とないだろうし」
とはいえ未緒の考えにも一理あり、渋々ながらも直人は承諾した。
「という訳で、本気でお誘いでしたらお付き合いいたしますけれど?」
小悪魔のような表情で、未緒は伊織に微笑みかけた。


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