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淫魔戦記 未緒&直人
【ファンタジー 官能小説】

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淫魔戦記 未緒&直人 3-15

「未緒……」
直人はしゃがみ込み、シャツをはだけて未緒の体を手早く調べた。
大丈夫。ただ気絶しているだけだ。
安堵した直人は一息つこうとして……それに気が付いた。
内股の秘唇に近い所に半透明の白い液体が、こびりついている。
「なっ……」
震える指先を伸ばし、直人はそこに触れた。
くちゅっ……
指先に、男女の混合液が絡み付く。
ぞくっ……!
全身の肌が粟立つ。
「……おに……」
ゆらり、と直人は立ち上がった。
「未緒に、何をしたーーあっ!!!」
自分の中から完全に理性を吹き飛ばし、直人は伊織の許へ駆け出した。
−そして、靄はこの瞬間を待っていたのだ。
以前の直人であれば未緒という存在に対する葛藤があったので心に波があり、比較的憑依しやすかった。
しかし自分が初めて憑依したあの一件がきっかけで交際が始まり、直人の精神はまるで別人のように安定してしまったのだ。
今一度、未緒を抱きたい。
その思いが靄を突き動かし、自分が憑依しても崩壊しないような心身共に丈夫な人間を探し回らせた。
しかし、どんなに探してもそんな人物は直人くらいしかいなかった。
だから、一計を案じた。
伊織に協力し、直人に情報を漏らし……。
今、その計が実った。
靄は直人に近付き、体の中へ入り込む。
『なっ……お前っ……!?』
狼狽する直人の心を押し込め、靄は直人の体を乗っ取った。


直人の体に、急激な変化が起きる。
バキバキと音をたてて骨が伸び、口が裂けて牙が生え、全身を漆黒の獣毛が覆っていく。
−あの時と、同じように。
そして、かつてそれを止めた女の意識は……今はない。
「グフ……フフ……トウトウ、トウトウワレハ……フタタビ、ニクタイヲテニイレタゾ!」
獣は足を止め、歓喜の咆哮を上げた。
「コレデ、ミオヲダケル!フハッ……ハハッ……ハハハハハッ!!」
「……めでたい奴だ」
伊織の発した低い声が、獣の歓喜に水を差す。
「……ナンダト?」
「未緒は俺の子を孕んだ。そして恋人として、お前が体を乗っ取った少年がいる。今更貴様如きの種を仕込ませてたまるか」
「……フン。マズハキサマノクチヲトジサセナイト、ダレニモジャマサレズニミオヲダクコトハムズカシイヨウダナ」
二人の間に、緊張が走った。
じりじりと間合いを詰め……獣が先に仕掛ける。
鋭い爪の生えた手で、伊織を引き裂きにかかった。
伊織はそれを払い、軽い一撃を放つ。
獣はあっさりとそれを受けた。
「ドウシタ?」
あざ笑う獣に対して慌てず騒がず、伊織は小さな声で呪文を唱える。
すると左手の指先に、五つの光の塊が宿った。
大きさは、胡桃大くらいだろうか。
小さな見掛けとはうらはらな威力を示すように、それは時折バチバチと放電している。
「行け」
伊織の命に応じ、光は指先を離れて獣に襲いかかった!
それぞれがでたらめな軌道を描きながら、光は獣に肉薄する。
「ムゥ……!」
獣の呟きに、険しさが混じった。
すいっと身をかがめ、まずは光の包囲網から抜け出す。
光はもちろん、獣を追尾した。
四つが獣を取り囲むように再び包囲網を作り、残り一つが正面に回り込んで進路を妨害しようとする。
獣は身を捻り、紙一重のところで正面の光をかわした。
そして身をかがめた時に拾っておいた小石を、かわした光に投げ付ける。
バリバリバリイィッッ!!!
耳をつんざく大音量で、光が弾けた。
距離のせばまっていた光同士が最初の爆発に巻き込まれ、連鎖反応で残りも爆発してしまったのだ。
「ハゴタエノナイアイテダナア、エエ?」
にたあっ、と余裕の笑いを浮かべた獣だが……。
「ム!?」
今の今まで立っていた場所に、伊織がいない。
果てしなく嫌な予感が体を走り抜け、獣は素早く身を縮めながらその場を離れた。
「遅い」
その背に、何かがのしかかる!
「お前という存在は低級霊の塊で、主たる意識が喋っているに過ぎん。そんな半端者が数千年を生きるこの俺を、出し抜けるなどと思うな」
のしかかった伊織は、そう言う。
組み敷かれながら、獣は笑い声は漏らした。


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