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淫魔戦記 未緒&直人
【ファンタジー 官能小説】

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淫魔戦記 未緒&直人 2-3

「直人様って……あなたはもしかして、神保綾女さん?」
「そのとおり」
未緒の質問に傲然と胸を張り、神保綾女はうなずいた。
「京の分家から本家へ修行に来たの。で、さっそくだけど……あなた程度の女が直人様の寵愛を受けるなんて、何かの間違いよ。悪い事は言わないから、さっさと別れなさい」
「なっ……!」
初対面の人間からこうぽんぽんと悪し様に言われては、いくら温厚な未緒でも頭にくる。
口を開こうとしたその時、助けが現れた。
「ずいぶんな言いようだな、綾女」
『直人様!』
図らずも、未緒と綾女の声がハモる。
「全く……いつまで経っても未緒が来ないと思ったら、お前が喧嘩を吹っかけてたのか」
直人も学校帰りという事で、未緒や綾女と似通ったデザインの制服に身を包んでいる。
外崎学園は幼小中高大一貫のエスカレーター方式で直人は学園の中等部に通っているから、似ているのも当然なのだが。
「いや、あの……これは……」
しどろもどろになる綾女に、直人は冷たく言い放った。
「彼女を侮辱するからには、それなりの覚悟を持ってやっているんだろうな?」
「え……」
「……昔から注意しているだろう。だからお前は思慮が浅いと言うんだ」
直人は手招きして、未緒を呼び寄せた。
「この一週間、いろいろと嗅ぎ回ってたろ?教えてあげるけど、僕が未緒に告白して付き合い始めたんだ。つまり、未緒に対してふさわしくないとか別れろなんて言うという事は、僕の目に狂いがあったと僕をけなすのと同義語だ」
綾女が息を飲んだ。
「それとも……京都から来た分家の出風情が、本家の当主である僕の恋愛に意見する気かい?」
「あの、それは……」
萎縮した綾女に、直人はさらに言う。
「ならば、下手な口は慎む事だ。行こう、未緒」
直人が踵を返して行ってしまったので、未緒は慌てて後を追った。
「い、いいんですか?」
追い付いた未緒の問いに、直人はあっさりと答える。
「別に構わないよ。綾女は外見に似合わず割と鈍いから、あれくらい言わないと理解してくれないんだ」
「でも、直人様のためによかれと思ってあんな事をしたんでしょう?」
あんなひどい事を言う綾女の肩を持つ気は毛頭ないが、気が付くと未緒はそう言っていた。
その言葉に、直人は笑顔で答える。
「優しいね、未緒は」
「なっ……」
思わず頬を赤く染めた未緒の反応に、直人は微笑んだ。
「そんなに気になるなら、後でケアしてあげるよ。今は、デートを楽しもう」
「……はへっ?」
寝耳に水の話に、未緒は変な声を上げてしまった。
明日の待ち合わせはどうなったのか?
「待ち切れなくて、わざわざ放課後デートの誘いに来たんだ。いいだろ?」
甘く蕩けるような笑顔で言われると、未緒は何も言えなくなってしまう。
「……はい」
「よし決まり。じゃあ、行こう」


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