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想ぃの行方
【青春 恋愛小説】

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想いの行方U-6

「…………でさァ、付き合うことになったらしいんだけど〜」


何やら部活仲間が後輩の女から告白されて付き合ったという話を気分良さそうに話す矢田。


「顔赤くしてさァ、『先輩のこと好きなんです』とかやばくね?!可愛すぎだろ〜」

「それくらいアンタも言われたことあるんじゃない?」

「まぁな!」


「あっそう」と顔を逸らす私はきっと不機嫌な顔をしている。

矢田は私に甘い言葉を催促しているのだろうか。
そんなことを思うたびに不安になる。

好きひとつ言えない可愛くない私に、矢田はいつか嫌気がさすんじゃないだろうか…って。

可愛いことを言う後輩に目移りしちゃうんじゃないか…って。


これじゃぁ、何かもう……矢田にハマってるみたいだ。


「妬いてる?」


そんな矢田の問いに「何に?」と逆に聞き返した。


「ん〜俺がモテること?」

「疑問文ばっかり。てか、妬かないし」

「はは、可愛くねー」


その言葉に、胸が少し痛かった。





―――――

「麻衣、ガトーショコラの作り方教えて」


突然の私の言葉に麻衣は目をぱちぱちさせている。


「私も一緒に作る」

「本当に?!」

「うん」


大はしゃぎする麻衣に連れられて、放課後材料の買い出しに行った。

当たり前のように女の子がいっぱいいて、私は気後れしそうになった。


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