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アッチでコッチでどっちのめぐみクン
【ファンタジー 官能小説】

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アッチでコッチでどっちのめぐみクン-8

第3話 『怪しい老人』


 翌朝、恵はいつものように学校へ向かっていた。
 ただ、その足取りはいつもに比べてかなり重い。
 ……お父さん達、どうしたんだろ……
 朝起きてから見た両親の様子が、あまりにおかしかったことに、恵は歩きながら思いをめぐらせていたのだ。

 恵の両親は、朝からなのか夜中からなのかはわからないが、二人とも何か深く思い悩んでいるようで、恵が登校する時間になっても出勤の準備がほとんど進んでいないようだった。
 恵は二人のいつもとはあまりに違う様子に、このまま学校に向かっていいんだろうか? という不安な気持ちに駆られていた。

 そんな物思いにふける恵の背後から、軽い足音が駆け寄ってきて恵の腕を捕まえてきた。驚きで恵の思考が中断される。

「おっはよ〜、恵クン。気分はどう?」
 腕を急に引っ張られ恵は少しよろけながら挨拶を返す。
「あ、おはよう、葵ちゃん。別に気分が悪いとかそんなことじゃないよ」
「ん? そうじゃなくって、今日は少しは男らしくなったような気がしてるんじゃないかな〜って」
「え!? いや、その……よくわかんないけど……多分」
 恵は昨日の記憶を甦らせて赤面する。
「……あんまり効果なかったのかな? ……一度きりじゃなくて継続が大事ってことかも……」
「け、継続って……」
「……したくない?」
 葵が真横から恵の顔を覗き込む。
「いや、あの、道の真ん中でそういう話は……」
「あはは……やっぱり可愛いねぇ、恵クンは」
「……朝からボク、からかわれてる?」
 恵がちょっと口を尖らせて葵を見る。
「ごめんごめん。でも別にからかってるわけじゃないよ。恵クンさえよければ何度でも男らしくなるように協力してあげる」
「……ありがと」
「いえいえこちらこそ」
「え?」
 言葉の意味をとっさに理解できなかった恵に、葵がそっと耳打ちしてくる。
「……昨日すっごく気持ちよかったし……」
 葵の言葉に恵はさらに顔を真っ赤にする。

 ……………

 その頃、藤沢家には風変わりな客が来ていた。

 恵の両親は居間の椅子に座り、テーブルを挟んで向かいの椅子に座っている老人と向き合っている。
 その老人の背後には四人の男女が控えていた。
 見た目が一緒の三人の巨漢。腰に剣をぶら下げたどんぐり眼の少女。
 いずれも現代日本の街中にそぐわない風体をしている。
 老人が口を開く。

「……ついてきていただけますね」
「……わかった、行こう。真実はどうなのか、この目と耳で確かめてやる」
「ありがとうございます。あちらで直にお確かめになればきっと王子への疑いも晴れることでしょう」
「……それはどうかな」


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