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アッチでコッチでどっちのめぐみクン
【ファンタジー 官能小説】

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アッチでコッチでどっちのめぐみクン-50

……その頃、めぐみ達のクラスでは……

 一時限目の授業を担当する教師が、無言のまま黒板に字を書き連ねていた。
 不気味な静寂に包まれた教室全体にチョークの音だけが響き渡っている。

「え、えぇ、この問題、解ける者」
 教師がそう言った途端、三人の生徒が手を挙げる。
 その瞬間、教室にいる者全員がびくっと体を震わせた。
「え、えぇと、藤沢君……だよね?」
「はい!」
 指名された生徒が立ち上がって黒板の前へと向かう。
 その生徒の巨大な影が、数人の生徒の周囲を一瞬暗くしていった。
「あ、あの……君はその……本当に、藤沢君かい?」
 教師は、ありったけの勇気を振り絞って聞いてみる。
「そうですよ? 何か?」
 藤沢という名字だと主張する大男が、教師の質問を受けて、さも不思議そうに答える。
「い、いや、随分普段の君と、何というか、その……違うから」
「そうですか? ちょっとイメージを変えてみただけなんですけど……そぉ・ん・なぁ・にぃ・ちっ・がっ・いっ・まぁ・すぅ・かああっ?」
 そう言いながら、大男はずかずかと教師の眼前へと歩み寄る。
 教師は近づいてくる巨大な影の恐怖に、ぶんぶんと首を振って否定する。
「いぃ!? い、いやぁ、そんなことはないよ! み、見ためはちょっとぐらい、か、変わってても、藤沢君は藤沢君だものねっ」
「ええ、もちろんですよ」
 大男はめぐみと同じ声でそう言うと、めぐみと似つかぬいかつい顔でにっこりと微笑んだ。
 着席している、残り二人の巨漢も、その言葉にうんうんと大きく頷いた。
 その間他の生徒達は、一言も喋ることなく顔を真っ青にしたまま固まっていた。

 ……………

「やっと見えてきたな……」
 ディグが歩きながら後ろの二人を振り向く。
「ええ、ほら、サイファさん、あそこよ」
 ルーシーがさらに後方のサイファに声をかける。
「はぁ、はぁ……ユ、ユーゲン村?」
 息を荒くしているサイファが、その声に顔を上げる。

 三人の視線の先には、いかにも田舎といった雰囲気の村が、ぼんやりと見えてきていた。


 第14話 おわり


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