投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

アッチでコッチでどっちのめぐみクン
【ファンタジー 官能小説】

アッチでコッチでどっちのめぐみクンの最初へ アッチでコッチでどっちのめぐみクン 12 アッチでコッチでどっちのめぐみクン 14 アッチでコッチでどっちのめぐみクンの最後へ

アッチでコッチでどっちのめぐみクン-13

「……メグミ様の御両親でしたら、当分ここへは戻られないかも知れません……」
「え?」
「あ! さっきの……」
 突然声が聞こえてきて三人が振り向くと、そこには透明な穴が開いており、その中からジョセフが出てきた。
 葵が警戒心をあらわにして話しかける。
「住居不法侵入じゃないの?」
「……ここはお目こぼしを」
「常識的な訪問の仕方ってものがあるでしょう?」
「……ここはお見逃しを」
 それを遮るように恵がジョセフに話しかける。
「……どういうこと? 当分戻ってこないかもって……ただの里帰りじゃなかったの?」
「メグミ様の御両親は、わが国の王子からある任務に赴くことを命ぜられまして。それで、その任務が完了するまではアリーランドに滞在されるということになったのです」
「……王子に命じられて……ってお父さんとお母さんが何で……」
「まあ、王子の命令とはいっても、その内容はむしろメグミ様のための任務なのですが」
「……ボクのため……?」
「……今度こそついてきていただけますか? 我が国アリーランドへ。そこで全てがわかります」
「……行かなきゃわからないの?」
「……心の底から理解していただくには、やはりついてきていただくしかないかと」
「……ボクたちも、その中に入るの?」
 恵が透明な穴を指さす。
「ええ、こういう洞窟を使わないと行くことができない世界なのです」
「……その中、洞窟になってるんだ……」
 恵は大きな瞳をさらに大きくして空中に浮かぶ透明な穴を眺めた。
「ええ、ずいぶん短いものですが」

「……恵クン、行くの?」
 葵の問いかけに恵は迷わず答える。
「うん。お父さんもお母さんも行ってるみたいだし、ボクも行ってみたい……そしてどういうことか自分の目で確かめたい」
 恵は透明な洞窟の先にあるものを見ようとするかのように目をこらしている。
「……じゃあ、あたしも行く!」
「え? でも……」
「恵クン一人でなんて行かせられないわよ、そんなわけのわからないとこ。それに……」
「……それに?」
「なんで恵クンを連れて行こうとしてるわけ?」
「……え? あっ!」
 恵もまだその理由を聞いてないことにやっと気がつく。

「そうでしょ。恵クンの両親が、王子に呼ばれてその国に行ったからって、恵クンまで連れて行く必要なんか全然ないじゃない。なにか恵クンを連れて行きたいわけがあるんでしょ」
「いやいや、これはよく気がつかれました」
「……なめてるの?」
「実はメグミ様のことが今アリーランド国内で大変な話題になっているのです。実はメグミ様の御両親は祖国では大変な英雄でして、その御子息が異世界で暮らしていると判明したものですから、国民全てが大きな関心を持っているのです」
「……それで?」
「関心を持っているのは国民ばかりじゃございません。王族の方々も多大な関心を寄せていらっしゃるのです」
「じゃあ、王様が恵クンも連れてこいって言ってるの?」
「いえ、私に今回そのような命を与えたのもアリーランド王国の第一王子であらせられるアリラリラン様でございます。私はそれを受けて、メグミ様をアリーランドにお連れに参った次第でございます」


アッチでコッチでどっちのめぐみクンの最初へ アッチでコッチでどっちのめぐみクン 12 アッチでコッチでどっちのめぐみクン 14 アッチでコッチでどっちのめぐみクンの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前