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happiness a place
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happiness a rainy day-2

「なんかもう……ずぶ濡れなんだがな…」
「良いじゃないの!! あたしもずぶ濡れだよ!!」
「雨の日にずぶ濡れカップルか……」
「普通相合い傘でラブラブカップルだよねぇ」
「まぁ……普通じゃないカップルってことだな」
「嬉しいよーな……? まぁいっか!! あはは!!」

 普通じゃないカップルは、普通より面白い。
 隣で微笑む彼女は、雨のせいで髪がべっとりくっついていた。

「お前…貞子か?」
「えぇ? きゃ!! あたし怖っ!!」

 店のショーウインドーに映された自分を見て、けらけら笑う彼女。
 ――…なんでこの人は、なんでも笑い事にしちゃうかな…。

「ほらぁ、あたしん家到着!! 上がって上がって!!」
「おぅ? お邪魔しまーす」
「とりあえず座っててー。ココア持ってくるから!!」

 ココア持ってくる前に身体拭けよ!! と突っ込みたかったが、それより先に彼女が台所に行ってしまった。

 つーか……さみぃ。いくら彼女がバカ(失礼)だとしても、冬の雨の日に傘もささずに走るのは流石にヤバかったか…。

「さむぅ……」

 バフッ。

「む!!?」
「頭乾かしましょーねー!!」

 突然タオルを持って頭を拭き始めた彼女。あぁ…昔はこういうのお母さんがやってくれてたなぁ……って俺はガキか!! マザコンか!!

「や、やめろ!」
「ほら暴れないー。よし乾いた!!」

 俺の頭からタオルを離すと、俺の目の前にちょこんとタオルを持って座る彼女。

「……俺に何をしろと」
「あたしも頭拭いてっ」
「よーし」

 タオルを彼女から奪って、彼女の頭を拭き始める。最初は、強く。

「おらぁ」
「やややや、強い強い!!」
「てりゃあ」
「わわわわっ!?」
「よし、乾いた!!」
「頭が……ぐらぐら……する…」
「雨の日に走らせた仕返しだ」
「このっ!! きゃっ!!」
「のわ!?」

 俺に攻撃をしようとして近づこうとした彼女が、ソファに足が引っ掛かって倒れ込んできた。

「……んふふ〜」
「な、なに?」
「あったかい!」
「……」
「照れない照れない♪」
「照れてなんかねぇ〜!」
「……ふふふ」

 幸せそうな顔をして俺の胸に顔を埋める彼女。

「今度も濡れて帰る?」
「いや、今度は晴れても傘だ」
「それはそれで良いかもねぇ」
「次は相合い傘だな?」
「もちろんっ!!」


 雨だろうが嵐だろうが晴れだろうが曇りだろうが、彼女が隣にいれば天気は関係ないんじゃないか?

『……くしゅんっ』

 ――…やっぱり傘は大事だ。


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