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お見合い、それから戸惑い
【純愛 恋愛小説】

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お見合い、それから戸惑い-1

 私は、テツヤさんと結婚した。出会いは今時珍しくお見合いだった。祖父の古い知り合いのお孫さんだから、と母から強引に勧められた時、さして結婚願望なんて無かったが、「お見合い」に対する興味本位で一度だけならと会う事になった。けれどそれももう、今から2年前になる…。



 当時私は22歳で、丁度大学卒業を半年後に控えている時だった。テツヤさんは私より10歳年上で、お祖父さんの興した会社を継いでいた。お見合いの話を聞いた時は、今時「お見合い」なんて形式張っていて古くさいし、その上10歳も年上の男性なんて勘弁してほしいと心底思ったものだ。私は母に何度も断ったが、母は全く折れる様子がなかった。「お見合いっていってもね、ちょっと高級なレストランで一緒にご飯食べるだけなのよ?マリが行ってくれないと、お祖父ちゃん本当に困るのよ…。そんな結婚とか全然考えなくて良いから、一回だけ会って来てちょうだい!お願い!」と母は懲りずに何度も私に言った。そのうちに私も、美味しい物が食べられるし、一回くらい経験しても良い出来事かな、などと思い始めた。第一そういうときの母には誰も勝てないのだから…。母に気が変わった事を伝えると、驚くべき段取りの良さで、すぐ一週間後の日曜のお昼に日取りが決められた。そして次の日から母の『お見合いファッションプラン』が開始されることとなった。年頃の乙女に
してはお洒落に無頓着な私を、やれ服屋さんだ靴屋さんだと母は連れ出し、仕上げは美容室で締め括られた。


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