「雨のち虹」第2話「ヒーロー・andブラッククロス」-20
「それよりさ‥僕のやった事を知った上で
僕を頼ってくれるの
か？」
「はい‥過去なんか
より、今の先輩を知りたいし‥」
私がそう言うと先輩は珍しいものを見たような目でこっちを見てくる
私、何かおかしな事を言ったのかな？
「あの‥一体何なんですか、人の顔をじろじろ見て‥」
「いや、偉く純粋な
考え方だなぁと思ってね‥」
「そう‥ですか？」
どこが純粋なのかは
全く分からない
「出会ったばかりの人を過去で判断しないのはなかなか難しいよ」
「そうですか‥？」
「とっても、貴重な
能力だと思うよ、
けどそれは今は‥
おいといて！」
「おいとくんだ‥」
「今日さ、これから
親睦を深める意味と
これからどうするか考える為に歓迎会でもしないか？」
「歓迎会‥？」
あまりに突拍子もない展開だ‥
「‥いいですね！それ！」
明くんは行く気満々‥正直私は、
はしゃぐ事が出来るだけの余裕はないみたい‥でも
「すずちゃんもいいか？」
「はい‥！私の話に私が行かないのはおかしいですし‥」
朝のような寂しさは
無かった・・
まるで家族がいるみたいな、温もり
ここに来てたった少しの時間なのに、
人の温かさを確かに
感じる‥
人と人との触れ合いの力は、すごいなぁ‥
そんな事を思いながら窓の外に目を向ける‥
「‥あ」
「気付いた？ちょっと前からでてんだけど」
「へぇ、これは、なかなか縁起がいいね」
「すごい２つもでてる‥」
「珍しいですね！」
みんな、窓の外に
くぎづけになっている