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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第7話・舞台という名の戦場》-4

◆◇◆◇◆◇◆◇

「いいですね♪流石、《風刃》と呼ばれる一族。『翔けし姿、風を纏いて刃の如く』とはよく言ったものです♪」

疾風と霞の乱打、乱刃、乱舞を見つめながら朧が感嘆の言葉を紡いだ。

「私には、質の悪い兄妹喧嘩にしか見えぬのだが…」

楓はそう感想を述べ、再び視線を台本に戻し、パラパラとページを捲っていく。

「でもさ、スゲェのも確かだよな」

ガキン、ガキンと火花を散らしながら疾風と霞が舞い踊る。

「それに、かっこいいし♪」

うっとりとした表情で疾風の動作を見つめる千夜子。

「………」

それに対し、普段なら何かしらのリアクションを見せる楓が何も言わない。
先程まで、ページを捲っていた指がピタリと固まっている。

「どうしたんだよ?」

千夜子が不審そうに横から台本を覗き込んだ。
そして、同じように固まること数秒後…

「「何だこれはあああ!!」」

二人の叫びに疾風の動きが止まる。無論、霞の動きを先に封じてからだが…

「月路テメェ!これはどういうことだ!!」
「朧殿!事の次第によってはただでは済みませぬ!」

千夜子は拳を握り、楓は普段から持ち歩いている木刀に手をかけた。

「ちょっ…一体…」

疾風はふと足元に落ちている台本を取り上げた。
ページは最後。そこにはこう書かれていた。

『骸丸に愛の告白をする。骸丸、ただ黙って姫君を深く抱き締める』

「何だこれはあああ!」

疾風の叫びも加わった。

「あら、いけませんか?」
「当たり前です!しかも、この姫君って先輩じゃないですか!本当にやるんですか!?」
「くすくす♪」
「監督本物嗜好だから♪」

今更ながら何故、あそこまで重傷人が舞台に上がろうとしていた理由が分かった。
きっと彼は熾烈な競争を勝ち抜いてきたのだろう…お悔やみ申し上げます…

「ならぬ!断じてならぬ!!」
「書き替えろ!今すぐ書き替えろ!!」
「お二人がそこまで言うのなら…」

仕方なさそうに台本に手直しを加える。


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