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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第7話・舞台という名の戦場》-2

◆◇◆◇◆◇◆◇

翌日。涼しげな夜気に少しずつ浸り始めた演劇部部室兼練習場。
すでに他の部員は帰り、いるのは昨日と同じく朧と霞。

「こんにちは」
「お邪魔致します」

そこに主役(のスタント)を務める疾風と見学の楓が入ってきた。

「あら、楓さん。見学ですか?」
「駄目でしょうか?」
「いいえ、構いませんよ♪」

朧はパイプ椅子を差し出した。軽く頭を下げて、楓はそれに腰掛けた。

「では、これに目を通してください」

朧は白い台本を疾風に手渡した。
それを受け取った瞬間、部室の扉がバンッ!とけたたましい音をたてて開いた。
来客は何故か包帯とギプスをつけた重傷人。

「月路部長!俺はやれます!いや、やらしてください!俺はまだできます!俺は…」

シュッ…プスッ。

「あ…」

ドサッ。
額に針が刺さり、そのままぐったりと倒れ込む重傷人。

「「………」」

唖然とした表情で男と朧を交互に見る疾風と楓。

「誰ですか…その人…」
「彼は体操部で、本来、スタントはこの方にやってもらうつもりだったんですけど、数日前に事故っちゃいましてね」

ピクリとも動かない体操部のスタントを見て、疾風は少しだけ寒気を覚えた。

「演劇で…じゃないですよね?」
「はい、違いますよ♪」

満面の笑みなのに、何故か怖かった…
何か無茶苦茶怖かった…

「そ、そうですよね…」
「はい♪」

準備運動…しっかりしとこ…
引きつった笑顔で心に誓う疾風だった。

「何やら、すごく演劇をやりたがってたのだが…」
「まあ、主役だから♪」

霞は意味深な笑顔。
とにかく準備運動をしつつ、台本に目を通していく疾風。
あらすじは、骸丸という名の仮面忍者と姫様の恋物語。

バンッ!

「シイタケに聞いたぞ、疾風♪演劇やるんだってな!ほら、差し入れだ♪」

再び扉が開き、またも来客。功刀千夜子だった。
その手にはスーパーの袋にどっさりと入れられたチョコレートの数々。
見ているだけで口の中が甘ったるくなりそうな、奥歯が痛くなりそうなチョコレート達。


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