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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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伊藤美弥の悩み 〜受難〜-7

トントン

ドアをノックすると、中からは『何じゃ〜い……?』というかすれて世にも陰気な声が聞こえて来た。
「お兄ちゃん?」
『美弥かぁ〜?自分が情けなくて、会いたくないぃ〜……』
「その事は、もういいから」
『良くないぃ〜……』
「やられた当人が、もういいって言ってるんだから。とにかく出て来て」
『…………分かったぁ〜』
がちゃりと音がしてドアが開き、貴之が顔を出す。
「うわ。」
美弥は、思わず後ずさった。
貴之は一晩で、別人と見紛うばかりに憔悴してしまっている。
げっそりとこけた頬に、ごまかしようのない目の下の隈。
どれ程の時間、クヨクヨしていたのか。
「何かあったのかあぁ〜……?」
「あ……うん。夕べの事は、許すから。もう気にしないで」
「……そうは言われてもおぉ〜……」
「やられた当人が許すと言ってるの!まあ、忘れはしないけど……」
そう言ってから美弥は、朝にはため息が出る程に重かった気分が、ずいぶんと軽くなっていたのに気が付いた。
「そうかぁ〜……」
貴之の顔に、少し生気が戻る。
「でも一ヶ月間、部屋の鍵はちゃんと閉めておいてくれぇ〜……」
「それはもちろん」
頷きながら、美弥は龍之介に感謝した。
昨日の今日で貴之を立ち直らせ、生気を取り戻させる事が出来たのは、美弥の言葉のせいだ。
だが、そんな事ができるまで美弥の気分を高揚させてくれたのは、龍之介なのである。


その日の夜。
いつからだろうか……生理の始まる直前は、体が疼いて仕方がない。
何もしていないのにショーツの中は、透明な蜜でぐしゃぐしゃになっていた。
「んッ、ふ、くうぅ……!」
美弥は疼きに耐え兼ね、自分でいじくり始める。
(やらしいね、美弥……こんなに溢れさせて……)
「やぁ……違、う……」
誰かが、頭の中で囁いた。
(嘘言っちゃあいけないな……ほら)

きゅんっ!

蕩けた淫豆を、美弥はつまんだ。
「あくうッ……!!」
びくびくびくっ!と、全身に痙攣が走る。
(気持ち良いんだろう?)
「っん……気持ち、良い……」
(掻き回すと、いやらしい音がして……美弥は、エッチだね)

ぐちゅう、ぬちゅう……ずぬるっ

「あああ……わ、たし……エッチなのっお……!」
寝間着の上から片手で乳房を揉みしだきつつ、もう一方の手を蜜壺の中へと侵入させた。
ざらざらした内壁が複雑にさざめき、異物を食い締める。
(凄いね……ひくひくしてる。いやらしい美弥のココ……何て言うの?)
「… ……」
美弥は、唇を動かした。
(聞こえないよ……ちゃんと、言葉にしてごらん?)
「……ま……こ」

ぐちゅっ!!

指先が、淫核を捩り潰す。
「あぎぃッ!!」
美弥は、背筋をのけ反らせた。
(聞こえないよ。ほら、もう一度)
「おま……こ。私の、おま○こおっ!!」
とうとう、美弥は叫ぶ。
(はい、良くできました)
美弥は亀裂の中へいきなり、指を三本突っ込んだ。
――昨日までは決して、出来なかった事。
自分が処女を失ったという事実を、こんな所で実感する。
(さあ、イッて良いよ)
美弥は、指の動きを激しくした。
「んうああうっ!あっ、あっ、あああああああああ!!」
絶叫し、美弥は全身を何度も痙攣させる。
「はあ、あぁ……」
発情が治まって理性を取り戻すと、美弥は青くなった。
頭の中で自分にいやらしい事を言っていた人物が誰なのか、分かったせいだ。
龍之介を、おかずにしていたのである。
「よりにもよって……」
罪悪感で、頭がくらくらした。
守ってくれる人をおかずにするとは何事か。
しかし……龍之介はベッドの上であんないやらしい事を言いながら肌を合わせるタイプとは思えない。
「レイプファンタジー……だっけ」
愛液でぬらぬらとしている股間や指をティッシュで処理しつつ、美弥は呟く。
「思春期の女の子が好きな男の子とセックスしたいのに罪悪感があるって時に、自分を罰するのに使う手段だったはず……って!?」
とんでもない事を口走ったのに気が付いて、美弥は狼狽した。
『好きな男の子』、である。
「い、いや……まさかね……うん……」


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