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無銭湯記スパゲッチュー
【ファンタジー その他小説】

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無銭湯記スパゲッチュー 〜復路〜-14

第34話 『無敵家族?』
 行きがけの駄賃、そんな言葉は聞いた覚えもあるが、帰りがけの魔物退治、そんな話は聞いて居なかった。
 俺達は王都の軍隊と混ざって、魔物退治をさせられていた。例によって旅費稼ぎのバイトが講じて、そんな成り行きに成ったようだが。


 フィリスはレオニードが作ってくれた『キャスターロッド』とか言う魔法ステッキの具合が良いらしく、今まで遠慮していた魔法をガンガン使って魔物どもをやっつけていた。
 俺の『演劇用勇者の剣』、あっほら、前に見知らぬ爺さんに騙されて、買わされた例のおもちゃの剣、これもレオニードが改造してくれて、切り付けると相手に電撃を放つようになっていた。レオニードが言うには『エレキテルソード』だって。これで魔物も一殺(いちころ)だよって…… 可愛い顔して、こいつはまさしくマッドサイエンシストだ。
 レイモンドもなにやら、魔力以外の物理ちからを光の矢に変えて打ち出す鉄砲で、『レーザー光線銃』とか言うらしいものを、彼に作ってもらって撃ちまっくているのはいいがぁ。実際当たると魔物が消し飛ぶから、凄い! って言うか、子供にこんな物騒な物を持たしてしまって、良いのだろうか?!
「って! 危ねーー! こらレイ! 銃を人に向けるな! 俺を殺す気かっ!!」
「てへっ! ごめんねユグン」
 てへじゃねーだろ! てへじゃ! こいつぅ! 魔物よりたちが悪い!!
 ところで、レオニードはそんな俺達の活躍を『撮影機』とか言うもので、その活躍っぷりを記録しているが。なんでも今後の資料にするんだとか言ってる。


 そんな俺たちの活躍に、一緒に魔物退治をしていた兵士たちが噂する。
「また、旅芸人の一家が魔物を倒したってよ」
「凄いなぁ! そう言えば子供が一人増えたんだってぇ」
「なんだ、そっちの方でもがんばってるんじゃないか」
「さすが若いよな! ハハハハッ!!」


 納得いかねーー! なんでそうなるかなっ! 頭痛てーー!!


 そのころ街を襲った悪党のボスはと言うと。
「おのれー旅芸人どもめ! 調子に乗っていられんも今のうちだぞ! 今度こそ目に物みせてくれるわ! 待ってろよ旅芸人! 悪党ボス行きまーーす!!」

 つづく


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