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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈波動篇〉-14

リュナを連れた三人は風の通りがいい、草原を走る川のほとりに腰を下ろした。木陰の下、やわらかい草のカーペットにリュナを寝かせ瑛琳が傍で介抱をしている。

「御剣っていうのは簡単に言うと特殊能力を持つ人間の事を示している。オレなら大地、日向なら火。」

千羅は手をかざし、自分の足元の大地を押し上げた。急に起こった出来事に日向は悲鳴を上げ腰を抜かしてしまう。悪い悪いと謝りながら千羅は大地を元に戻し、日向に起き上がるように手を差し出した。

「オレたちの精霊は自分達の力と一体化しているから滅多に姿を現わさない。」

「そうなんですか。どうして?」

当然のように疑問を返してくる。やはり芝居のようには思えない、本当に日向には知識がないのだろうと千羅は思った。しかし実際は油断できない。

まだ彼を正面から信用する事などできないのだ。

「契約をしたからな。詳しくは自分の精霊に聞けばいい。」

分かったと頷き、再び日向は千羅の前に立った。そしてもう一度、同じ言葉を声にする。

「続き。御剣って何なのか教えてほしい。何で僕が火神って分かったのかも教えてくれませんか。」

「それは簡単だ。日向は五大元素を知っているか?」

千羅の言葉に日向は首を横に振る。五大元素とは、地、水、火、風、光を指し、その5つの力は御剣の中でも特別な存在だと千羅は話を続けた。元素の力を持つ者同士ひかれあい、お互いにそれが分かるという。

世界の核を担う者、それが五大元素の力なのだ。

日向が封印を解いたリュナ・ウィルサは風神であり、同じように封印されている光の神も解放してほしい。鍵である日向なら彼をも解放できるだろうという事で、もう少しの間つきあってもらいたいのだと千羅は告げた。

「何故僕が鍵なんですか?」

当たり前の疑問を千羅にぶつけた。その答えを彼が持っていると信じて。

「それはオレにも分からない。火の力と鍵は別物だと思っていたから。」

ゆっくりと、千羅は告げた。そう、千羅自身も探している答えだった。まさか火の力と鍵が同じとは夢にも思わない。これが何を意味するのか、それを考えずにはいられなかった。

「でもラッキーといや、ラッキーなんだ。二つとも探していたから、いっぺんに見つかってさ。」

その思いは本当だった。初めて見せる千羅の笑顔に自然と日向も笑顔になった。

「記憶喪失はいつから?」

「分からない…気付いたら森の中に立っていたんだ。長に拾われた。」

「長?」

「その辺りを縄張りにしている山賊の長だよ。っと。」

口調がなれなれしくなってしまったのを気遣い、反射的に日向は口を押さえた。その仕草がとても微笑ましく、千羅は笑う。


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