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Twilight Closse
【青春 恋愛小説】

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Twilight Closse V 〜家族、友達〜-1

Twilight Closse V 〜家族、友達〜
「うぃーっす。ただい……うぉあ?!」
45分前に見たぞ。この光景。まるで殺人現場の様な人間の倒れ方。
「アニキ〜…お腹と背中がくっついて死にそうだよ〜…死んじまうよ〜…」
「十字朗〜…遅くなるなら電話しろとあれほど…」
だが今度は死体が2体。親父の健治と妹の鈴は重なる様にダウンしていた。
全く、仲が良いもんだ。
つか、餓死寸前になると、皆うつ伏せになるんだな…
「わりぃ。ちょっと友達の家にな」
俺は笑って答えた。
「早く飯作れ〜…」
「れ〜…」
「よし。待ってな。この平野家専属シェフ十字朗様が腕によりを寄せて…」
そこまで言って俺は言葉を止めた。
材料全部お粥に使っちまったんじゃんかーーー!
「………ん?」
「…どしたの?兄貴?」
「わ、わりぃ…え……と……」
ここで「友達と食った」と言うのは簡単だ。だがその後は?
きっと蹴り拳の雨嵐だろう。ダウンを取られてボディプレス。さっき食ったお粥を全部戻すこと必至!
何か…何か良い切り返しは?!
「ちょっと今日は疲れたからさ。店屋物にしね?」
どうだ?!こいつで何とか…
「………」
「………」
「……そだね」
よっしゃ、ナイスハンドリング俺!良く乗り越えた!
「おし。親父。お金」
「自分で出せ!遅れてきた罰だ!」
あ、やっぱこんなオチなのね…。流石は平野家、お約束を外さないし、分かりやすい。
まぁ、人ン家で飯を作った俺がどうかしてたんだ。自分の分位は自腹でなんとかするべきだよな。
「やた〜!兄貴のおごりだ〜!」
マジで勘弁して…

「うぃーっす」
「おはよう。十字朗」
貯金箱の中身がごっそり消えた次の日の朝。貯金一つじゃ変わらない日常が、今日も始まる。
昨日から何か宿題を忘れてる気がするがまぁ良いか。
「酷かったぜ、奥山の家」
「だろ?ポストがパンパンでな。全くインターホンに反応しないし…」
「いや、それもあったんだが…」
俺は奥山の部屋の惨状、健康状態についてじろーに話した。
「ひでぇ…あいつの家、親はいないのか?」
「いたとしても、まともな性格じゃ無いな。成長期の子供をあんな部屋に押し込めてたら、引きこもりにもなるわな」
親がそんななら、これ以上首を突っ込むのは危なそうだ。
奥山には気の毒だが、俺にはどうする事もできない。
………でも…心配だな………
「ん?どうした十字朗」
「ん…何でもない」
チャイムが鳴った。今日の朝補習は古典だっけな。え〜と…ノートノート…
ん?何だ?昨日貰った夏休みの友……何で2枚入って…
「………あっ」
「今度は何だ?」
「い、いや…何でもない」
ワスレテター!!!
昨日奥山ン家に行ったのは飯を作るためじゃねぇ!
『奥山にこいつを渡してくれないか?』
ダァァァァ!なんたる失態!俺が頼まれ事を忘れるなんて!
「今日は朝からハイテンションだな。怪しげなカラーリングのキノコでも食ったか?」
いや、人からの頼まれ事をすっぽかす位なら、キノコ食って自爆した方が何倍もマシだ!
つか、怪しげなキノコ食ったみたいな動きをしてたのか俺?
嗚呼…それよりも今まで守ってきた俺のポリシーが…
ん?待てよ?これはこれで様子を見に行く理由にはなるんじゃないか?
「…何か知らんが…今日は特別元気だな…」
「まあな」
俺は得意そうに答えた。


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