投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『影』
【青春 恋愛小説】

『影』の最初へ 『影』 0 『影』 2 『影』の最後へ

『影』-1

夕焼けの帰り道を僕は歩く。


『影』


僕の名前は斎藤シュウジ、高校2年生だ。

僕は帰り道の景色が好きだ。夕焼けで一面真っ赤ですごく綺麗で…

突然後ろから衝撃が僕の背中に伝わる。
「いてっ」「あっいたかった?ごめんな、つよしたつもりなかったんけど」
彼女の名前は一瀬チカ。僕とは高校1年の頃からとても仲がいい。
彼女は満面の笑みで顔の前で両手を合わせごめんなさいのポーズをしている。

「いいよ、びっくりしただけだから」
「じゃあなんでいたって言うたん?」
「普通びっくりして、あっびっくりした!!なんてとっさに言わないだろ?」
「そりゃそうか〜びっくりしたって長いしな」そういってはにかむ彼女。
この笑顔を見ると何故か落ち着く。

「それじゃ帰るか、送ろうかチカ?」
「ええよ、暗うなるし…」
「女を送るのが男の役目でしょ!」
「そか、じゃあ頼りないけどお願いします」「頼りないは余計だけど…じゃあ行こう」

2つの影が並んで歩く。

「なぁシュウジ?」

「なに?」


「うちな……もしうちがシュウジの事好きって言ったらどうする?」

遠くでカラスが鳴いている。

「えっ?どうするって?」
「どうするはどうするやっ!!」
顔が真っ赤だ。

「どうもしないよ、うん、どうもしない」

「…そうか」


2つの影が並んで歩く。


「シュウジ…」

「なに?」

「うち…シュウジ、好きや、」

「えっ?好きって?」
「好きは好きやっ!!」
僕も顔が赤い。


「…僕も好きだよ、」
「そう…」

影が2つ並んで歩く。

2人のキョリは少し縮まる。


「チカ…」
「なんや?」

「手、繋ごうか?」


「……うん」


2つの影は1つに重なる。

「明日も、一緒帰ろうな?」

「もちろん」


ゆっくりと日が沈む…


『影』の最初へ 『影』 0 『影』 2 『影』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前