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五感
【サイコ その他小説】

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五感-1

ある日、僕は思った。世の中は汚い。……見える全てが汚く見える。人の汚いところがこんなにも僕を不快にさせる。……そうだ目を潰そう。……そしたらなにも見ないで済む。

ある日、僕は気付いた。耳から入る音、なんて気味が悪いんだろう。……お前らそんな音だすなよ!…気持ち悪い……そうだ、耳なんていらない…。

ある日、僕は知った。舌から伝わるこの味。…殺した生き物の味……。そう考えると僕はすぐ吐いた。嫌だ。そうだ舌が悪いんだ。舌が悪いんだ。

ある日、僕は感じた。鼻からくる臭い。社会の汚れた臭い。排気ガスの臭い。全ての臭いが鼻から脳に伝わる。嫌だよ。気持ち悪いよ。……鼻さえなければ……。


ある日、僕は理解した。なにかに触れるこの感触。そこに存在するということ。身体中から感じる。世の中を。どうすればいいの?気持ち悪いよ。怖いよ。怖い怖いコワイ。




そして僕は決意した。死ぬことを。


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