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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【大・波乱】〜涙×2〜-1

12回!!

信じられる!?

3日で12回だよ!?



……あ、興奮しすぎた。

落ち着け、俺。

……よし。


入学式から3日。
何故か新入生の女の子に告白されること12回。
…断わり続けて12回。
…泣かし続けて12回。


……俺さぁ、なんか悪いことしたかなぁ?
昨日はさぁ、なんて言われたと思う?

『最低!!』

……いやいや、おかしいだろ。どういう意味か悩んじゃうじゃん。
おかげでまともに寝てないし。


あぁぁ頭おかしくなりそう…


「──それでね〜、…ん?お兄ちゃん、聞いてる?」
「─ん、うん。聞いてるよ。」

「だめー! あかね、それ以上言わないでー!」

「いたーい。も〜、……エリカぁ、ぼーりょくはんたーい。」

「…だって〜」

…俺がなんとか正気を保てるは、このふたりのおかげだろうな。


遊輝がクスクス笑うと、ふたりは嬉しそうに顔を見合わせた。




今日は、登校中に誰かに会うことは無かった。
…まぁ、当然だ。いつもより20分早く家を出たのだから。

昨日なんて、“張り込み"がいたからな。
主に3年男子。あかね目当て。


「じゃあね、お兄ちゃん。エリカ、お兄ちゃんに迷惑かけないでね。」

「うるさいっ、早くいけっ」
「アハハハハ」

一年と二年は別棟だから、あかねとは玄関でお別れだ。
あかねは俺達に手を振って教室に向かっていった。その後ろ姿に微塵の憂いも感じさせずに。


やはりあかねは、相当数の男子に声をかけられているようだ。
しかし、まだ告白はされていないらしい。

…この年頃は男子の方がオクテなのか?

とは言え、あかねはまだ子供だ。
体格の大きな、2つも年上の男子に囲まれるのには、それなりに恐怖を感じているようだ。


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