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声色
【エッセイ/詩 その他小説】

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声色-1

帰り自宅
始めながら
そっけなく作った顔が
どうしようもなく愛しくて
君が口付けた
コーヒーうらやましくて
秘かに睨んだ
もう減ってきた
甘い時の中で
君の揺れる髪ばかり
気にしてたんだ
いつになく
待ちくたびれてしまった僕を
君はあやすように
声色変えて近付く
それでも睨む僕は
いつからこんな風な
人間になってしまったんだろう


寝相の悪い
君がまた
蹴飛ばした温もりまでも
どうしようもなく愛したい
君が手を付けた
チョコレート横目で見て
微かに香った
もう経っていた
甘い時の中は
君が居ればそれで良い
じっとしていてね
いつもより
待ちに待てなくなったの僕も
君を諭すように
声色変えず囁く
そんなに香る君の
すいた髪から風が
通り過ぎてった
冬の午後のこと


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