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午前零時の情事
【同性愛♂ 官能小説】

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午前零時の情事-4

「……っあぁ……やぁっ…な…にっ……?」
 僕の問い掛けに答えるように、ソレは僕の中で蠢いた。
「……痛っ……やぁっ…」
 他人はおろか、自分でさえも触れたことのない場所を何かが蠢いている。
 アレは帰っていなかった。
 長い指が僕の中で動いている。
 一本……、二本……。
「……い…や……」
 身体を襲った新たな衝撃に耐えられず、僕は性器を握りしめたまま硬直していた。
 性器が手の中で力を失っているのが解る。それでも、僕は動けなかった。
 唾液と先走りで濡れた指は、スムーズに出入りを繰り返す。
 狭い道を広げるように、二本の指が僕の中でバラバラに動いていた。
湿った嫌な音が、再び僕の耳に届く。
「……あっ……ぁ……」
 無理矢理にこじ開けられ、探られる不快感。それでも、内壁を強く擦られると、奇妙な感覚が身体を襲う。
 身体はそれの意味を理解しかけていたが、頭はその理解を拒んだ。僕の頭の中は、色々な思考の糸でごちゃごちゃになっていた。
 逃れようと身を捩る。
 性器から右手を離そうとすると、それを止めるかのように何かがそっと触れた。それは支えるように僕の右手を包み込み、それを上下に動かした。
「ん…あっ」
 ごちゃごちゃになっていた頭が、一瞬にして真っ白になる。

「あっ…あぁ…」
 強引に自分の手で扱かされ、僕の性器は再び力を取り戻した。
 自分の手なのに、握る強さも扱くスピードも、自分でするのと全く違う。
 容赦のないその刺激に、僕は急激に追いつめられた。
「やぁっ……はぁ……あ…ん…」
 何かに誘導され、僕は強弱を付けながら僕自身を扱く。
 それは絶妙に僕のツボを押さえ、僕の身体は簡単に快楽の波に飲み込まれた。
 後ろに感じていた不快感は、もはや快楽の波の下に沈んでいた。
 それどころか、内壁を引っ掻くようにされると、痺れるような快感が全身を駆け巡った。
「んぁっ……は…」
 後ろに反応する度に身体がピクリと跳ねる。
 身体の奥が、ジンジンと熱かった。
 僕の身体の熱に反比例するように、僕を急激に追い上げた前への刺激は、徐々に緩やかになって行く。
 前の刺激が弱まると、後ろの刺激を今度はリアルに感じた。
 二本だった指は、いつの間にか三本に増やされ、それがバラバラに動きながら僕の中を出入りする。
 身体の内側が熱くて熱くて堪らなくて、僕は出入りする三本の指を締め付けていた。
 前の刺激も、後ろの刺激も、もどかしくて堪らない。
 自然に揺れる腰を、僕は止められなかった。
 欲しいのは、もっと強烈な快感。
 熱くなった身体を解放できる、強烈な快感。
 少しでもその糸口を広げたくて、僕は左手を自分の胸へと移動させた。
 パジャマの裾から手を入れ、その突起に触れる。
 既に硬くしこっていたそれに触れると、ザワザワとした甘い痺れが生まれる。その痺れはダイレクトに下腹部へと伝り、手の中で性器が熱を増すのが解った。
「……はぁ……あっあぁ……」
 僕は欲望のまま、胸の突起を弄る。
 リズミカルに抜き差しされる後ろの指の動きに合わせて、僕の身体も無意識に一定のリズムを刻む。
 右手の動きも、そのリズムを守るかのような動きに変わっていた。
 緩やかだったそのリズムは、徐々にスピードを増す。
 何かと僕が一つになって、身体の熱を追い上げる。
 バラバラに動いていた指は、一つの塊となって僕を追い立てていた。
 それはグラインドをしながら、これまでにない程深く僕の中を抉る。
「んひぁぁっ……!」
 大袈裟な程身体が跳ね、甲高い声が出た。
真っ白だった頭に星が散る。
 奥の一点を指が掠める度、どうしようもない位の快感が僕の身体を襲った。
 強烈な快感で、左手の動きも身体の揺れも停止してしまう。強制的に動かされている右手だけが、後ろと同様に激しさを増した。
「…ふあっ…ん……あぁ……ぁ…」
 口を閉じることも忘れ、僕は喘ぐ。
 潤んだ瞳は、焦点を失った。
 腰から下がドロドロに溶けているような、そんな錯覚を覚えた。
 快感の熱に溶かされた下肢。下肢を溶かしたその熱は今、出口を求めていた。


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