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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【あかね2・15】-4

あかねとエリカのチョコはどっちが美味しかったか聞かれたので、どっちも同じくらい美味しかったけどエリカのは形が変だった。
と言ったらあかねはけらけら笑った。

あとちょっとで、あかねも中学生だね。
という話になって、中学校についての質問攻めを受けた。

あとは、ふたりの思い出とか、楽しかった思い出を語り合った。

部屋には小さく抑えた楽しそうな声が響いていた。


そして1時間が経った。


「はわ……、う〜〜ん眠くなっちゃった〜〜」
話に一区切りついた所であかねは布団にコロンと横になった。

「ぅ〜〜ん、…こんなに遅くまで起きてるの初めてだよぉ。」
あかねは寝転がって伸びをしながら言う。

「お兄ちゃ〜ん…一緒に寝よぉ。」
半開きの目と伸ばした両手を遊輝に向ける。

遊輝は微笑んで電気を消す。


「ごめん、ちょっとトイレ。」

「えぇ〜〜!? ……もぅ…」

遊輝は部屋を出る。



─作戦タァ〜〜イム!!
……一緒に寝たらあかねが布団をグルグル巻きにして俺は否が応にも野晒しにされまた風邪をひいてしまうこと必至!
しかし断り方によってはあかねが泣き出す可能性も……
ならば……


遊輝の出した答えは「動かない」こと。
“トイレで待機している間にあかねが寝てしまう"作戦である。

……もし起きてたら……まぁ成り行きに任せよう



─10分後
遊輝は部屋に戻った。
ドアを静かに開け、静かに閉める。

あかねは布団の中。


「あかね、…起きてる?」

……反応が無い。
どうやら作戦は大成功のようである。

遊輝はほんの少しの寂しさを感じつつも、布団の側に置きっぱなしの椅子に座った。
そして黒の巨大なコートを拾い上げてかぶり、背を丸めて目を閉じた。

遊輝は学校で居眠りする時はいつもこの体勢だから、なんとか一晩は保つだろう。
コートのおかげで、風邪をひくこともない…。



しばらくして遊輝が眠りかけた頃、あかねが目を覚ました。


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