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おほしさま
【ファンタジー 恋愛小説】

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おほしさま-3--1

act 3 《星空》

「…お願い、…聞いて?」

抱き着いたまま、消え入るようなか細い声で沙織が尋ねる。

「……?」

無言で返答。
声がでない。いや、出せない。だが、沙織のお願いならなんでも聞くつもりだ。例え、この身が滅びようとも。

「星が、みたい…」

「星…?」

沙織は星が好きだったか?
でも沙織のことで知らないことは無いはずだ。
色々な疑問が脳内を駆け巡る。

「私ねぇ…死んだら、おほしさまになりたい…」

「……」

「だから…、星が見たい…」

…涙が溢れてくる。
死。それは奇跡が起こらない限り、いや、起きても避けられない運命。存在する万物は必ず滅ぶ。

でも沙織は外出禁止だ。どうやって?どうやって見せれば良い?

「お願い…宏輔」


〜〜〜


自宅。

「秋の星…っと」

世話しなく自宅中の文献を調べる。俺の親父は一応、冒険家だ。
あの後、急いで病院から帰り、もう3時間ほど調べている。

「あぁ!!もう!!」

部屋にどんどん本が投げ出される。。中には全く関係無い記事もあり、苛々がどんどん募る。

と、その時、一つの記事を見つけた。

「フルフェイン流星群…?」

説明を読むと、薄汚い字でこう書いてあった。

『フルフェイン流星群は毎年11月12日頃から11月25日頃まで活動する流星群。11月17〜18日がその活動のピークである。』

と、書いてある。

急いで今日の日付を見ると、11月15日と書いてある。
…明後日か。

明後日となると、沙織の余命は後約3日…。
…無理をしても、願いごとを叶えてやる。


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