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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第1話・出会いは闇討ちと共に…》-1

日本の何処かの街。
ベッドの中で丸くなって眠っている少年が一人。
身長並びに体重は平均値。全身から普通オーラが滲み出ている…否、出していると言うべきか…

ややだらしない印象を与える、ふっさりとした前髪。その下の涼しげな切れ長の瞳は見る者を惹きつける秘めた力を持っている。ただ、それも普段かけている普通の黒縁眼鏡によって目立つことはない。

とにかく…この物語主役は普通っぽく見える彼なのである…

◆◇◆◇◆◇◆◇

黎明の時は過ぎ、窓からは暖かいが、少しうっとうしい爽やかな陽射が零れている。
この部屋の主兼物語の主人公『忍足 疾風(オシタリ ハヤテ)』は手探りで目覚ましを捜索した。何回か手をバタバタと動かした後、指先に触れる堅い物。それを引き寄せ、時刻を確認…
午前6時20分…

まだ…いける!

そう思い、再び布団に潜り惰眠を貪る。

後…10分…

《第1話・出会いは闇討ちと共に…》

◆◇◆◇◆◇◆◇

───ジリリリリ!

目覚ましがけたたましい警告音を鳴らすが、手刀を一発打ち込んで強制的に黙らせる。

もう…少し…まだ…大丈夫…

そう己を誤魔化し、僅かばかりの幸福を得ようとするが…

───ゾクッ…

何の脈絡も無く出現した、爽やかな朝に似つかわしくない冷酷なる殺気…
瞬時に枕の下に手を伸ばし、手に馴染んだ黒い金属塊を取り出す。

───ガキッ!ギギギ…

金属同士が擦れ、切迫する。

「死ねぇ!!」

殺気の主が力を込めた。その手には、同じく黒い菱形に柄がついた形の凶器、所謂…苦無というもの。

「…懲りない奴だ…なッ!」

疾風は布団を蹴り上げ、相手の視界を奪った。素早くベッドを降り、苦無を走らせる。

「ふはは!やるな、それでこそ我が宿敵よ!」

布団を払い除け、苦無を苦無で受け流しながら、古風な言い回しで相手が笑う。

「だが、我が主君の野望の為、死んでもらう!」

さらに緊迫した攻防。素早く体勢を入れ替えながら斬り結ぶ。

「で、今度の舞台は何なんだ?」

苦無を首筋にピタリと添えた疾風が尋ねた。

「えっと…『戦国争乱』。で、私は悪の忍」

現代に戻った口調で相手が返答する。手の中の苦無は疾風の鳩尾を貫こうと準備万端である…


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