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野球部部長・神尾崇子
【スポーツ 官能小説】

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野球部部長・神尾崇子(T)-1

俺の高校、明実は、府内で野球の私学4強と呼ばれていた。夏の甲子園大会へは、ここ10年間、4強のうちのどこかが出場している。俺が一年生だった昨年は、夏の県予選決勝でPS学園高校に12×1と大敗。ベンチに入れなかった俺はスタンドで悔し涙を流したのだ。ちっくしょう!来年こそはレギュラーになって、俺たちの力で甲子園に行くんだ。俺は、ベンチの前で泣きじゃくっている先輩たちを見ながら、心に誓った。
その翌日からひたすら猛練習の日々が始まった。俺のポジションはサードだったけど、適性を見極めるために外野手の練習にも参加した。毎日、へとへとになって家に帰った。
充実してるような日々だったが、一抹の虚しさに心が震えることもあった。彼女が欲しい。好きな女性に触れてみたい。野球漬けはいやだ。心が叫んでいた。
結城しのぶ、なんていい名前だろう。勇気を持って忍ぶなんて―。二年になってから、付き合い始めた同級生だ。小柄で胸は大きめ。笑顔が、常夏の太陽みたいにまぶしいんだ。まだエッチはしていない。近々、結ばれたいと思ってはいる。なんせ野球の練習時間が長くて、なかなかデートもままならないんだ。
7月14日、金曜日の夜。ようやく日が沈み、今日もナイター練習だろうかと憂鬱な気分になった。
「おーい、練習を終わりにするぞ。明日はゆっくり休んで、県予選に備える考えだが、みんなはどう思う?」
大下耕作監督からの提案だった。
「オイッス、賛成です」ノックを受けていた仲間たちともども歓声を上げた。グラウンドを均し、用具を片付けて、ベンチに戻ると、神尾崇子部長が満面の笑みで迎えてくれた。26才。透きとおるような肌にショートカット。澄んだ瞳はときおり、愁いを帯びる瞬間があった。試合中、ベンチにいるとき、俺はチラッチラッと神尾崇子の瞳を盗み見てしまう。監督の大下に気付かれて、睨まれることもしばしばだった。
崇子の着ているトレーニングウエアの胸のあたりは豊かに実っている。Dカップ?Eカップ?よくわからないが、張りのいいお尻、腰のくびれかた。スタイルの良さは校内一に間違いない。
俺が彼氏だったら、練習後のこの時間に、校内のトイレで、崇子先生のトレパンを下げているだろうか。
ベンチでバットをケースに収めていると、大下監督と立ち話している崇子のうしろ姿が目に入った。トレパンのお尻のあたりがいつもより丸みを帯びているような気がした。どんな下着を穿いているんだろうか?
俺ってこんなことばかり考えてるから、今一歩なのかも。トホホ。
「蛯原くーん」
崇子の声がした。顔を上げると、近づいてきた。どきっとした。
「淀屋駅から電車で帰るんでしょう。同じ町内に住んでることだし、今日はクルマで送ったげるよ」
「あっ…はい、お願いしまちゅ」
崇子は口元を押さえて笑いを堪えた。お願いしますと言ったつもりが、一瞬で固まって、巧く口が回らない。恥ずかしい。野球部の仲間たちはゲラゲラ笑っている。それにしてもチラッと覗いた崇子の白い歯は光沢があった。
駅に自転車を置き、待ち合わせることにした。俺は幸せ者だと思った。5分ほど待っていると崇子のフィットがロータリーを廻ってくるのが見えた。胸が高鳴る。
「お待た〜」
お待たせの省略みたいだけど、一瞬、お股を連想した。崇子は、フリル付きの半袖ブラウスに、確かAラインと呼称されているスカートを穿いていた。上下とも白なのが眩しい。どきどきしながら、フィットに乗った。
「蛯原君、城東高校との練習試合で4打数4安打おめでとう!」
「いや、まぐれです。先発メンバーで使ってもらったから、緊張しました。でも神尾先生にいいとこを見せなきゃと思って…」
「私に?」
「はい…」
「そんなこと言ってもらえると嬉しい」
崇子は声を弾ませたが、どことなく元気がないように思った。横顔を覗き見ると疲労が滲んでいる。


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