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おれらと若先生の夏休み【計画】〜若先生のとびっきりの話〜
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おれらと若先生の夏休み【計画】〜若先生のとびっきりの話〜-2

コンコンッ
ガラッ

「若林先生に用事があってきました。失礼します。」
「失礼します。」

直人が用件を言う。それに合わせて俺もきっちり斜め45゜でお辞儀する。

扉の近くには生徒指導の先生がいて、『職員室の入り方』をチェックしている。
……これで何度、指導を受けたことか……。
まぁ『指導』っていっても竹刀でバシッとやられて「次はしっかりやれ」と言われるだけ。
……その竹刀が痛いんだこれが。
絶対服従。
それ以外に道は無い。


「こんにちは、若林先生。」「こんにちは。」

お辞儀。
この沢ノ森中学校では職員室の中とか集会とかでは必ずしなければならない校則。

「おぅ。……大野は?」

「少し遅れて来るそうです。」
直人が間髪入れずに答える。俺は、ただその光景を見てるだけ。こういうことは直人にお任せ。
先生も分かってるらしく、俺には聞いて来ない。

大野はそれから30秒もしないうちに来た。
「失礼します」とだけ言って、お辞儀もしないでこちらへ向かって来る。

…親が役人だと、こうも待遇が違うものか。
…だからこの学校は腐ってる。

慎太郎は、知らぬ間に大野に目線を送る教師達を睨んでいる自分に気付き、表情を戻す。


「先生……。ご用件は?」

大野が、低い、冷たい声で聞く。

「よし。場所を移すぞ。」

俺達は歩き出した先生についていく。

「「失礼しました。」」
お辞儀。

大野は何も言わずに、黙って職員室から出る。


移した場所は1―1教室。
俺達が普段、過ごしている教室。

先生はHRで「放課後、この教室を使うから早めに帰ってくれ」と言った。
当然、誰もいない。
それどころか、放課後になるとほとんどの生徒はすぐに下校する。
こんな所からは一刻も早く出たいのだろう。
しかし、唯一うちのクラスだけは放課後に賑わう。


先生は、他の教室に生徒が残っていないことを確認して、1―1教室の扉を閉める。
そして、先に教室に入っていた俺達を見るなり「ニヤッ」と笑った。


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