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クレハの大樹。
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クレハの大樹。-4

そして 

殻が破れてしまいました。 
ニョキニョキニョキ。 

地面から一つの芽が出てきました。 

まだ頼りなく小さな芽です。 

ドナウドじぃちゃんはようやく目を覚ましてつぶやきました。 

「これでわしの役目も終わりじゃの。」 

ニカっと笑いながら 
じいちゃんは土になってしまいました。 

ヘンリーはにょきにょきとグングン大きくなりました。 

じぃちゃんのいる大きな青い空を目指して。 

空を見上げると 

カッカッカ。 

じぃちゃんの笑い声が聞こえた気がしました。 

   〜おわり〜 



ジョナサンはこのお話を聞いて思いました。 
大好きなお母さんもこの空のどこかにいることを。 
そして自分が一人ではないことを。 

涙を拭いてジョナサンは空を見上げました。 

おかあさんのやさしい笑顔がうっすら雲の間に見えた気がしました。 

次の日からジョナサンは泣くのをやめて力強くいきていきました。 

ヘンリーのように。


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