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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈封縛篇〉後編-4

「随分と用心深いじゃないか。余程の力を持つ者でなければ入れない結界とは。」

「雑魚がまとわりつかなくて気が楽だろ?」

「まぁな。」

余裕の表情とは裏腹に心中は穏やかではなかった。ジンロがやっとの思いで入ることのできた結界。瑛琳と千羅には厳しいことは間違いない。

ここに助けが来る事はない。

「ジンロ様、カルサが…息をしていません!!」

「何っ!?陛下!!」

リュナの声に反応したのはサルスだった。反射的にカルサのもとへ走り始める。

「ダメだ、動くな!!」

ジンロの大きな声にサルスは反応し思わず動きを止める。だがこんなチャンスをヴィアルアイが逃すはずがなかった。

右手をサルスに向けてかざし、炎を勢い良く放出する。迫り来る炎の波にサルスは動く事ができなかった。

「くそっ!」

ジンロは左手に剣を召喚し走りだした。大きく振り剣圧で炎の軌道をずらす。

ドォンッ!

気道が反れた炎は壁にぶつかり大きな穴を開けた。態勢を再びヴィアルアイに向けたジンロの視界に映ったのは、光に包まれ体が宙に浮いたリュナの姿。

「何ッ!?いやっカルサァッ!!」

カルサから離され光る球体に包まれたリュナは、必死に手を伸ばしカルサのもとへ戻ろうともがく。何度も何度も彼の名を呼び、必死にもがいている。彼女の涙が溢れる瞳にはカルサの姿しか映っていない。

(まさか!)

何かに気付いたジンロはヴィアルアイを見る、彼の手には片手でなんとか持てる程の大きさの水晶玉が光っていた。

「玉石の封印!?くそっさせるか!!」

「カルサッカルサッ!!いやぁぁぁああっ!カルサァッ!!」

急ぎリュナのもとに駆け出すジンロを嘲笑うかのように、リュナの悲鳴ごと彼女はヴィアルアイの手の中、水晶玉に吸い込まれてしまった。

「ヴィアルアイ!」

「最高の屈辱を味わうがいい。その男と共にな!」

「彼女をどうするつもりだ!!」

ヴィアルアイはリュナが取り込まれた水晶玉をジンロに向けて差し出した。彼の行動の意味が解らないジンロは様子を伺うしかない。

「どうするか、だと?」

不気味な笑みを浮かべ、「リュナ」を持つ手から炎が現れ、一瞬にして水晶玉は炎に包まれてしまった。

「なっ…!?」

あまりの出来事にジンロは言葉を発することができない。その姿に満足したヴィアルアイは高らかに笑い、見下すように吐き捨てる。

「なんなら一思いに焼き殺してやろうか!」

「させないわ!」

声と同時に目の前に現れた女性は、水を召喚し前方からヴィアルアイを襲った。声の主である玲蘭華は真っ先に水晶玉を奪いジンロに投げる。


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