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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈封縛篇〉後編-11

目的地に着いて安心したのかジンロは池の淵で膝から崩れ落ちてしまった。それでも右手はしっかりと彼女を守っている。

「ここなら…見つかることもない。いつか来る時まで…この地が守ってくれる。」

水晶玉に話しかけ、震える手を伸ばし水の中に沈めた。透き通る水に吸い込まれるように沈んでいく彼女をジンロは優しい表情で見送った。

「せめて…リュナ、きみだけでも。」

ジンロの消えそうな声は鍾乳洞の中に響き渡った。それを合図に意識を手放す。彼の手は力なく地に落ちた。



ドクン… ドクン…

鼓動が響く。音はそれしか存在しない。何もない世界で見えるのは光。感じるのは水の揺らめきと鼓動だけだった。

ドクン… ドクン…

体に触れるのは水の感覚。この頬を伝うものも水なのだろうか?

何もない世界で孤独を感じる。光と水の戒めの中、風は動く事無く、波紋は生まれない。


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