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HAPPY LIFE
【学園物 恋愛小説】

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HAPPY LIFEG-1

「明日香、それとって」

私の目の前にあるプリントを指差しながら言ってきたのは同じクラスの渡辺雄大。
10月に行われる学校最大の行事『桜栄祭』に向けて、実行委員に選ばれたのが私と雄大の二人。
今その委員会の最中なんです。

「10月なのに桜栄祭って…作者のセンス疑うよな」
「しょうがないよ、作者の名前サクラだもん」

…。

『桜栄祭』というのは、簡単に言うと文化祭と体育祭を会わせたもの。前半2日間は文化祭、後半2日間は体育祭で、クラス対抗でそれぞれの売り上げ・点数等を足して争うというもの。


そして委員長が斉木先輩、副委員長が千栄先輩。二人とも最後の桜栄祭というだけあって、ものすごく張り切っている様子。
斉木先輩から一通りの説明を受けた後、明日のHRでクラスの出し物を決めて放課後にまた集合、ということで今日は解散となった。
「あっ!そうだ!1年以外はみんな分かってるだろうけど、例年通り実行委員はクラスの出し物には一切手を出さないように。以上!」



そしてなぜか4人で帰ることになった。もちろん斉木先輩と千栄先輩と雄大と私の4人で…。

「先輩のクラスは去年何やったんですか?」
「去年はお化け屋敷で、その前は駄菓子屋。まぁまぁだったよね」
実はこの学校、3年間クラス替えがありません。
「文化祭の売り上げも得点に入るし、桜栄祭の最終日に先生からいろんな賞がもらえるからちゃんと考えてやらないと痛い目に合うぞ」
「そうそう、先生からの賞が曲者なんだよね。得点がプラスされるのもあればマイナスされるのもあるからね〜」



「あぁ!!」
突然隣りにいた千栄先輩が叫んだ。
「どうしたんですか?」
「教室にケータイ忘れたぁ。戻らなきゃ…先に帰っていいよ」
来た道を先輩は走っていった。
「しょうがねぇな…。俺も行って来るわ。じゃあな」
斉木先輩は自転車に乗って後を追った。


私の隣りには雄大が。
あっ…雄大って呼ぶようになったのは千栄先輩の影響で。
「明日香行こう」
「…うん」
もともと家が近いということは千栄先輩を通してお互い知っていたので、当然のように雄大と二人で帰ることになった。
「後ろ、乗ってく?」
自転車をおしながら歩いていた雄大はそう言った。
「いい」
「遠慮すんなって。どうせ家近いんだし」
「いや…でも」
「でも、なんだよ」
「…乗ったことないんだもん、コレ」
私は、自転車の後輪に取り付けられた二人乗り用の二本の棒を指差しながら言った。


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