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ひと夏の出会い
【若奥さん 官能小説】

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ひと夏の出会い-1

緑の木々が街を彩る、初夏の若葉萌える頃、俺は帰路に辿り着くべく、健一たちと別れた。
「あの最後のガーターが痛かったなあ、もうすこし左だったら俺が勝っていたのに。明日また学校で何か言いそうな感じだな、あいつは。」
その日、ボウリングで健一に2ピン差で惜敗した俺は、敗因と呼ぶべきシーンのハイライトを思い浮かべながら、いつも通り少し遅れてくるバスに乗り、閑散とした車内の後ろ側にある2人用の座席に腰掛けた。ボウリング場から自宅まではバスで30分ほどの距離にあり、いつもの俺なら寝ていたはずだったのだが、今回は不思議と眠くならなかった。

 5分ぐらい経っただろうか。1人の若い女性がバス停に佇んでおり、停車したバスに乗車した。相変わらず車内は閑散としている。前のほうに60、いや70歳ぐらいだろうか、老婆が1人、俺の席から3つ前の座席には中年の男性が座っている。いくら昼間とは言え、こんな空席の目立つバス路線をバス会社は廃止にはしないのだろうか、廃止になったらどうしよう等と考え事をしていた俺の右横に、その若い女性は座ってきた。
 「何故?」
2文字。とっさにこの2文字が浮かんだ。何故空席が目立つ車内にあって、わざわざ見知らぬ人間の隣に座る必要がある!?しかし、『人にはその人なりの考えがあり、だからこそその考えに基づいた個性は人を人たらしめているものなのだ』と、俺は己の持論を強引に引っ張り出してこの場における冷静さを努めた。それにしても綺麗だ。視野が広い俺は、目一杯その眼力のテリトリーを広げ、横に座る彼女を見た。歳は24、5歳ぐらいだろうか。茶髪のロングヘアーに、ほのかに香る大人の女の匂い━━先程展開した持論はどこへやらといった感じで、俺は軟派な心理状態に堕ちていった。
 その時だった。彼女の左手が、左側にいる俺の股関に伸びたのは。

心のどこかで俺はこうなる事を察知していたのかもしれない。彼女の左手がズボンのチャックをあけて、トランクスの上から俺の粗末な筆を揉みしだき始めた。ここで俺が執るべき行動として考えられるのは2つだった。1つは、硬派っぷりを全面に押し出して『やめてくれ!』と大声で彼女を叱責、猥褻罪で警察署に突き出す。そしてもう1つは、彼女の行動に応える事。ここで交際相手と呼べる女の子が自分にいるのであれば、または今現在好意を抱いている子がいるのであればためらっていたであろうが、幸か不幸か、今俺にそう呼べる存在はいなかった。よって、俺がとるべき行動は後者。
俺は右手を彼女の胸に当てた。服の上からではあったが、夏だからか下着は着けていないようだった。ふくよかな左胸ゆっくり、運転手に気づかれぬように揉んだ。彼女に僅かではあったが、反応があった。
『ふぅ…』
溜息のような、しかしどこか愛おしい感じの吐息を感じた。俺は左手を彼女のスカートの中に滑り込ませた。柔らかい太股、それを覆う網タイツ。俺の左手が、彼女の足が足ではなくなる部分に到達したかどうかの刹那、彼女は俺の左手を制止し、俺の耳にこう呟いた。
『もっと気持ちいい事しようよ…』と。

彼女に腕を軽く引っ張られ、一緒にバスを降りた。どこへ行くとも告げぬまま、彼女は俺の腕を引っ張って歩いていく。着いたところは、なんの変哲もない洋風の一軒家だった。玄関には『川崎龍一涼子』と名前入りの表札があった。
「結婚…しているんだ」
と俺は呟いた。


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