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星霜の死と不思議な少女
【少年/少女 恋愛小説】

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星霜の死と不思議な少女-1

僕は死んだようだ。今朝、信号無視のトラックにはねられた。

小学校への通学途中。横断歩行中に右を向くと、すでにトラックはブレーキでは止まれない範疇にいた。僕は怖いと感じるすきもなく、その瞬間にはねられてしまった。十メートル程とばされて、僕は冷たいアスファルトに打ちつけられた。
痛みはなく苦しみもなかった。ただ体の自由がきかないだけだ。
……そのあと、まるで僕の体が浮くような不思議な心地が襲ってきた。(そして急に眠くなって瞼を閉じた──。)

気がつくと、僕は今さっき自分が体感したおぞましい現場の近くで寝そべっていた。
僕をはねたトラックは消えていて、辺りも何事もなかったように平然としていた。体はどこも痛くなくてケガもしてない「……そうか、きっと夢だ。すべては夢だったんだ。ありもしない出来事を超現実的妄想として体感してしまったんだ。」
分けのわからない考えでさっきの事を処理して、再び学校へと向かった。

学校への足取りはエラく軽快で体が浮くように軽かった。(僕は秒針の抜け落ちた古い時計のように、どこか満たされない気分のままひたすら歩いた。)


小学校に着いた。

校門を抜けて、校舎。げた箱で靴を履き替えて教室へと向かう。(ようやく、ふだんの全く普遍的な日常に安心した。)

廊下で僕の担任の先生と出会った。
「おはようございます」僕はいつも通りにあいさつをした。だけど、先生の方は挨拶をしてくれなかった。「え?」と思ったが、何故かそのまますれ違ってしまった。
(先生、考え事でもしてたのかな?)

教室に入る。神野の会った、コイツとはクラスの仲良しグループで、休み時間にはいつも遊んでいる。
「おはよう神野。なあなあ昨日の『名探偵ぱりあ』見た?序盤に犯人だと確信してた奴が殺されて、すっげぇヘコんだんだけど。」
僕は最近人気のアニメの話題を神野にふった。
だが、彼はこちらに見向きもせず、無言で歩いていってしまった。「おい!無視すんなよ。神野」なんども話かけても神野はずっと無言で静かに席についた。

しかし、神野だけではなかった。ざわついた教室の中で、席のとなりの奴からクラス委員の女子まで、皆にどんなに話かけても誰からも返事はない。

最初、皆ふざけているのだと思った。


先生が教室に入ってきた。そして、その第一声は僕を仰天させた。「田端くんが今朝、交通事故にあってな。意識不明の重体ということだ。これから先生は病院に行って容態を見てくるから……。」
(もちろん、田端とは僕の姓だ。)

僕が事故?意識不明?全く理解できない。


一体全体、先生は何を言っているんだろう?僕はここにいるのに。

結局、先生はホームルームが終わると教室を出ていった。
そしてクラスの皆は自習を始め、また僕抜きの元の騒々しいクラスに戻っていった。

「なんでだ、僕はここにいるのに。お願いだ……お願いだ誰か気づいてくれ!」しかし、やはりクラスメイトの耳には届くことはないようだ。

ようやく、その頃になって自分は死んだのではないか?という漠然とした疑問を抱き始めた。今朝の事故は実際に起こった。しかし、先生の話だと意識不明だという事だ。つまりまだ死んではいない。何らかの理由で僕の体と心が離れしまったのだ。前に神野から借りたオカルトの本を読んだことがあった。こういう事は稀にあるそうだ。


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