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「ボクとアニキの家庭の事情」
【同性愛♂ 官能小説】

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「ボクとアニキの家庭の事情・2」-3

「どーしたん?ボーっとして」
シェイクを持って席に戻ると馨が心配そうに聞いて来た。
「ん?ああ。眠くて。ってゆーか、馨の方こそさっき死にかけたのに、へーき?」
ボクはとっさに話をズラして誤魔化す。
そんなに酷い顔をしていたんだろうか?
「死にかけたとか。いや確かに死にかけたケド・・・・・じゃなくて!」「ちゃんと全部食べはしたケド、でもボクのジンジャエールで飲んじゃっただけじゃん。やっぱ馨も口ちっこいんだってー」
割と頑張った事は多分誰が見ても明らかだとは思うけれど、敢えてまだまだだと言う。すると
「なっ・・・・・いやいや待てや、オレめっちゃ頑張ってんで?!少しは多めに見てやー」
若干泣きそうになりながら反論してくる。
「だってさー。そもそも頑張ってる時点で、フツーは入らないケド頑張りましたってコトじゃん?」
「あぅ・・・・・そりゃまぁそーやケド・・・・・」
基本的にボキャブラリーに乏しいコイツはある程度言い含めると反論出来なくなって静かになる。今のやり取りで恐らく最初の会話も記憶から消えただろうし、取り敢えずは安心という所だろうか
「ほら、いつまでもへたり込んでんなよ。行くよ、2限までチコクったらシャレなんないし」
と、ボクが声をかけるとやる気なさげな動きで店を出る用意を始める。
「だるいー」
「年がら年中補習受けてるヤツが文句言うな」
と言いながらサクサクと荷物をまとめ、先に店の外に出てケータイを眺める。
「・・・・・。」
ーポンッ。
「ひっ」
考え事をしていると後ろから肩を叩かれる。
「お待た♪」
「・・・・・馨、イヌならイヌらしくもっとパタパタ暑苦しいくらいシッポ振って気配丸判りにしてってば。マジビビるから」
少し大袈裟過ぎるほどのため息を付き、皮肉る。「イヌちゃうーゆーてるやろが!でも今回は別に脅かそー思ってたワケちゃうで」
「うっさいエセ関西弁め。たまにはボクだって考え事くらいすんのー。」などと言い争いをしながら駅に向かって歩いていく。

不意に馨が立ち止まった。
「?」
ボクが訝しんでいると
「オレら、ダチやろ?」意味不明なコトを聞いてきた。
「まぁ世間一般から見ればそーなんじゃない?」無難な答えを返す。
「何か悩んでんやったらちゃんと言えよ」
「・・・・・。」
不意打ちを喰らった。


何故だろう?

結構上手に隠している筈なのに

他のヤツらには結構隠せる自信あるのに

コイツには

このバカ犬は

ボクの演技が通じないんだ

結局その日は全然授業に集中出来なかった。



「たでーま」

PM 10:00

アニキが帰って来た。
ってゆーか、割と遅い。アニキのシゴトは、建設の現場監督、らしい。
正直その場を見た事がないのでなんとも言えないんだが。


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