ニンベンガール-1
我が家の恒例行事、毎月１日映画の日に近所のデパートで映画鑑賞。
おかげで今月先輩が引退した映画研究部の部長になれたんだけど、正直最近楽しみとは言え無くなって来た。
原因は今度中学に上がる弟。
親に逆らえない私と違って反抗期に突入したらしい弟は、原因だけあって私以上にこの行事が嫌いなご様子。
仲を取り持つ身にはたまったもんじゃない。
そもそも家族４人揃って楽しく観られる映画ってあんまり無いんだけど、弟が見たいアメコミヒーロー物と両親が見たいヒューマンストーリーじゃあまりに顧客ニーズが違い過ぎる。
かといって間を取ってアクション映画って言う手は既に先月使ってしまったので、結局弟と一緒にヒーロー物を見るハメに成った。
「ボクちゃん、どっちかって言うとあたしゃ４番のミステリーが見たいんですが。」
「なら一人でそっち行けば。」
可愛くないなぁ。
ちょっと前まで無理やり腕引っ張っられてポケ○ンとか見に行ってたのにさ。
「中人１枚、小人１枚下さい。」窓口嬢にそう言ってる声は声変わり中で少し嗄れている。
「ボクちゃん行き過ぎ！ウチら２番ホールだよ。」
「デカい声で僕ちゃんとか言うなよ。あと切符よく見ろ。」
戻って来て４番ホールへ私の腕を引く力は、昔より幾分優しかった。
しょうがない。
あと1年の辛抱だし、もうちょい仲人やってやるか。