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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.3-7

太刀川が先に帰るなんて珍しかった。
いつもは二人で電車に乗って、別の街で遊んで帰るのが常だったが、昨日だけは「悪い、先に帰る」と断って真っ直ぐ帰宅して行った。

その時、自分も一緒に帰宅すれば良かったのだが、試験前の短縮授業日程により、余り余る放課後を家で黙って過ごす程今井は大人しくは無かった。

仕方が無いから、今井はサッカー部の連中とゲーセンでふらふらした後家路に着いのだ。



「あ、CD…」

それに気が付いたのは電車に乗っている最中だった。
日も沈みかけ、会社帰りのサラリーマンが増えてきた各駅停車の電車内で、今井は携帯電話でアプリケーションゲームをしていた。
不意に作動がゆっくりとなり、画面上に小さな手紙のマーク。
(メールかよ)
ちょっとした動作のズレで機嫌を損ねた今井は、電源ボタンを押してアプリを終了させると、新着と表示された受信箱を開いた。

(修二かよ)
修二とは太刀川の弟、太刀川修二(タチカワ シュウジ)の事だった。
三つ下の中学三年生だが、精神年齢の低い今井にとっては良い遊び相手で物を貸し借りする仲でもあった。

(この前貸したCD返せ、って………)

ふと記憶を巡らせた後、思い出した様に肩から下げていたボストンタイプの鞄をあさる。

(あった)

奥底から拾い上げたCDににんまりと笑顔になる。
透明なプラスチックケースに入った真っ白いディスク。
そのディスクには手書きのタイトル「ひみつ」と記してあった。

(けけけっ、しゃあない届けてやるか)

そう考え、自分の降りる駅の手前で電車から降りた。
目的地はもう何年も通っているお馴染みの場所である。
ランニングがてら、今井は太刀川の家まで軽く走って行った。



「あれ、修二どうした」

太刀川の家の手前にあるコンビニエンスストアの入口で、何故か修二を見つけた。
ちょうど車両進入禁止の為の、U字を逆さにしたパイプの上に腰を下ろしている。

「あれ、お前家にいるんじゃなかったのか?」
今井が足早に近付きそう言うと、修二は頬を少し紅く染めて、兄ちゃんが、と言った。
「太刀川がどうした?」
更に今井が質問を返すと修二は困った様に呟く。
「女の人が、来てるんだ。……だから、その」
真っ赤になってる様子に何となく察しが付いた今井は、取りあえずCDと称されたディスクを渡した。
「ほれ。CDと言う名のエロDVD」
にやりと笑って手渡すと、修二もにやりと笑った。
「これから友達ん家で鑑賞会しよっと」
修二は携帯を軽快に動かして、早速友達に連絡を取り始める。


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