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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【序章(?)】-2

東原 遊輝(ユキ)。
中学一年。
身長152cm体重41kg。
勉強スポーツなんでもござれの万能人間。

…こっからが問題なんだ。
幼い顔立ち、笑うと出現しやがる八重歯とえくぼ。
目にかかる程の前髪に、首の4分の3を占める後ろ髪。
耳を覆う程の横髪を耳の後ろに架けている。
淡い茶色のサラッサラのストレートヘア。
諸々の理由からか昔から、かわいいかわいい言われてきた。
…つーか、かわいいって男に言う言葉か(怒)!?
――いつの頃からか、かわいいって言われると露骨に不機嫌な顔になり、無言になってしまうように…。
それは避けたいし、相手も嫌な気持ちになってしまうだろうから、かわいいって言われないように、と普段はちょっと大人ぶっている。
そんな俺を、男女関係なく皆慕ってくれる。
…しかし、放課後の俺の「戦い」を助けてくれるやつは…いない(泣)


線路と林と、綺麗な海が見える校舎裏。俺のお気に入りスポット。
…が、今日は戦場と化している。向かう足取りも重い。
あの女の子を見付けた。裕也によると、名前は亜美というらしい。
未だこっちに気付いていない。
呼吸を整えて…さぁ、戦闘開始。


「…あの」


下を向いて一点を見つめたままの彼女に声を掛ける。


ビクッとかわいい反応をし、こっちを向いた。
しっかりと見返す。
うわぁ顔、真っ赤。か、かわいい…
俺の顔も熱くなって来る。
ちょっとした沈黙。


この子も泣かしてしまうんだろうか…


考え始めるとすぐに、沈黙は彼女の口により破られた。


「東原くん。」


意外としっかりした口調。


「えと…、その…すっ…」


あっ、やっぱり…これはまた沈黙に入るパターンだ。ーそう思った瞬間だった。



「好きです!付き合って下さい!」



小さな勇気を振り絞った大きな声。彼女の明確な意思が伝わってくる。


「あっ、んと…」


予想外の展開に驚き、たじろぐ。
いつもならはっきり応えるのに。
彼女は涙を浮かべた目で俺を見続ける。
応えなきゃ…


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