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《魔王のウツワ》
【コメディ 恋愛小説】

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《魔王のウツワ・2》-4

※※※

食事中も当たり前だが、盛り上がることはなかった。

ただ、栄養を摂るのみ…といったところだ。

強いて言えば、一言二言、会話したくらい。

その僅かな中で分かったのは、この姫野は家庭の事情で転校し、特進クラスに編入されたということである。

「頭いいんだな…」
「…いえ…」

たまに、そんなことを喋りながら、空になった弁当箱に牛乳を入れる。

ノワールを膝から下ろした時、屋上のドアが勢いよく開いた。

「くぉおら!鬱輪!自分、今日の昼面貸せゆーたやろ!」

七之丞だった。そういえば、七之丞に二股の件で来て欲しいと頼まれていたんだったな…

「すまん…忘れてた」
「忘れてたで済ますか、ボケェ!いてこましたろか、コラァ!わいがどないな目に遭ったか分かとるんかァ!」
「そんな目か?」

七之丞の頬には赤々とした手形がくっきりと出来ている。
それも左右両方に…

「そや!その通りや!秋菜と幸の同時攻撃や!むしろ同時多発テロや!ビンタという名の飛行機がわいに突っ込んだんやァ!ビンタの同時多発テロやぁ〜♪……て、アホかァ!」

完全に八つ当たりだ。

「落ち着け」
「落ち着けるかい!」

俺の後ろに隠れた姫野が震えているのが分かる。

「ウゥゥゥ!」
「ん?何や、この黒猫?」

低い唸り声と共にノワールが七之丞を威嚇している。

「…ほぉ…やるんかい…ええで、相手になったる…」

ノワールと七之丞の間に剣呑な空気が流れる。

「やめろ」

一人と一匹に対し、警告を発した。

「おい、七之丞…」
「何や鬱輪!」

クイッと顎で俺の背中を指し示す。

「背中がどないした…ッ!!!」

ようやく姫野の存在に気付いた様だ。

「う…鬱輪…今ならまだ間に合う…自首せえ…」
「ぁあ?」
「…ゆーてみ…何処からさらって来たんや…
未成年の誘拐、監禁は重いで…」

ガシッ…

「あだッ!あだだだだだだだ!や、やめ…あ、アイアンクローはあかん!自分、握力幾つや思とんねん!あだだだだだだ…すまん!で、出る!な、中身出てまう!脳が、わいの脳がぁあ!ぎぃにゃあああああ!〇♯※∀∂※☆…」

理解出来ない言葉を言い始めたところで、七之丞を解放する。


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