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義父に犯されて:午前十時を過ぎたなら
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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第一章 二世帯住宅(画像付) -2

恵はもう一方の屋根の下に見える2階の窓に視線を移すと、ため息をついた。

そしてリビングに戻るため縁側に足をかけようとした時、芝生にタバコの吸殻を見つけると眉をひそめ、それをエプロンのポケットに入れた。
再びさっきの窓の方に苛立つ視線を投げると、大きな音を立てて部屋に入っていった。

エプロンを取り、軽く顔を整えようと洗面所の鏡に向かった。
鏡に写る自分の顔は恵に再びため息と、半ば癖になっているかもしれない眉をひそめる表情を作らせた。

恵は今、29歳・・・年末には30歳になる。

化粧も殆どせず一旦、女としての欲望から遠ざかってしまった恵には余り見たくは無い顔であった。

それでも最近ショートカットにしたせいか、幾分幼い顔立ちと相まって年齢よりも若く見えて、濃い眉やスッキリと通った鼻筋、形の良い唇等を映していた。
身長は低い方でバストは大きくはないが形が良く、ウエストも細い均整の取れたプロポーションをしている。

本人が気にする程、老けては見えない。

しかし、恵は自分の身体には昔からひどくコンプレックスを持っていて夫である武の口下手のせいもあるのだが、男から女心をくすぐるような事を言われた事等、殆ど無かった。

恵は女としての人生には、もう余り興味を持っていなかった。
TVや雑誌等に良くある不倫どころか夫との「営み」すら、このところご無沙汰なのである。

何度も言うようではあるが、狭い団地暮らしが長かった恵にとってエッチな雑誌やテレビ等を見る環境では無く、セックスに対して世間が騒ぐ程の興味は持てないのだ。

いや、むしろ嫌いであった。

オナニー・・・自慰行為等した事も無く、夫とのセックスでも正常位が基本であった。

照明も豆電球が主体でそれさえも消すことが多い。
自分の体を見せるのを極力、避けていた。
まして局部を晒して交わる姿なんて論外である。

新婚当時、夫の武が借りてきたAVビデオを無理やり見せられたが大げさなよがり声が白々しく感じられた。

そんなに気持ちのいい筈が無いと思う。

本格的なエクスタシー等感じた事は一度だって無かったからでもあるが何か世間が、いや男達が無理やり作っている幻想のような気がするのである。

興奮した夫からどうしてもと頼まれ、一応経験のつもりで「口」でしてあげたのだが、そのまま放出したものを飲まされて、余りの苦しさに洗面所に駆けこんで吐いた事がトラウマになっている。

その時から、夫も自分もセックスに対しては非常に淡白になった。
下品な冗談すら言わない事が二人の間での暗黙の了解で、恐妻家である夫の恵に対する償いでもあった。
だからと言って夫を愛してはいたし、セックスにしても優しく抱かれている事自体は嫌いではない。

夫は背も高く、甘いマスクの好男子だ。

理系出身という事もあり、お世辞とかおだてる才能は無く、恵も結婚する前からも自分の容姿で夫から誉められた記憶が余り無い。

そんな事は日本の男性一般に言える事で、さして気にはしていないし多少の物足りなさを感じてはいるものの、夫婦愛そのものまでは否定する気は無かった。

しかし、夫の仕事も忙しく帰宅も遅くなりがちで「営み」の回数は確実に減っている。

恵はいつの間にか枯れた神経質な女になっていた。
鏡の中で、いずれ年老いていく自分を想像するのは良い気分がしない。

それでも広いリビングのソファーに座って熱いコーヒーを口に含むと、一度に機嫌が直った。

そんな事は恵にとって小さな事である。
夢にまで見た一戸建を手に入れたのだ。

庭も部屋の大きさも普通の建売住宅等、比べ物にならない程豪華であった。

中の家具までが全て新しい。
ワイドテレビが納まっている、大ぶりの収納に付いているガラス扉越しに時計を見た。
夫と二人で選んだお気に入りの物である。

午前十時を少し過ぎていた。
恵は壁に掛かっているインターホンに目をやった。

カップを持つ恵の頭の中に、今朝の夫との会話が浮かんできた。



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