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楓南と恵未
【ラブコメ 官能小説】

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楓南と恵未 -4

「そんなことないよ。」
「だったらどうして私が来てるって言ったのよ。」
「だってお義母さんがあんなに心配しているんだよ。」
「じゃあ、私のことなんかどうだっていいって言うの?」
「そんなに聞き分けのないことを言わないで。俺のほうが泣きたくなっちゃうよ。」
「じゃあ私をここから追い出せば?」
「そんな事できるわけないじゃないか。」
「じゃあ私をずっとここに置いてくれるの?」
「無理だよ。そんなことしたら恵未がなんて言うか。」
「やっぱり私より姉さんのほうが大切ってことなんだ。」
「楓南も同じくらい大切だよ。」
「そう思うのなら姉さんに言ってよ。」
「何て?」
「姉さんなんかいらないから私と一緒にいるって。」
「え?そんなこと言ったら、火に油を注ぐようなもんだよ。事もあろうに、自分の妹にまで手を出したって。」
「でもまだ手を出してないじゃないの。」
「だからいくら好きでも手を出せないんだよ。」
「え?今なんて言ったの?『好き』って言った?」
「う・うん、言った。」
「やっと『好き』って言ってくれた!」
「そうだよ、一度『好き』って言ったらもう歯止めが効かなくなると思って、ずっと我慢していたんだ。」
「ほんとに?」
「嘘なんか言わないよ。可愛い楓南が目の前にいるのに、ずっと指をくわえて我慢していたんだ。」

「どうして? 我慢しなくていいのに。私はそのつもりよ。早くそうなりたいと思って待ってるのに…。」
「楓南と大人の関係になってしまったら、恵未からほんとに懲りない男だって思われちゃうよ。お義母さんや恵未に話す前にそうなったら俺のことをほんとに最低の男だと思って、通る話も通らなくなっちゃうから。」
「ふうん、そうなの?」
「だから今日のところはおとなしく帰ってくれたらうれしいな。楓南が俺の目の前にずっといたら理性を押さえきれなくなって取り返しのつかないことになっちゃいそうなんだよ。」

「ほんとに信用していいのね? 母さんと姉さんにちゃんと言ってね。」
「うん、指切りするから信用して。」
「わかった。じゃ指切りね。」
「そしたら送っていくから、今日はお家に帰ろう。」
「じゃ、キスして。」
楓南の額に口づけすると
「違う、そこじゃない。」
自分の唇を俺の唇に押し付けてきた。
楓南の柔らかくふっくらした唇の感触が俺の唇に記憶された。
楓南は唇を離すと名残惜しそうに渋々立ち上がり、俺の腕を取って並んでマンションを出た。
そして大通りまで歩いてタクシーを拾い、楓南を義母のもとまで送っていった。




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